02453201610-2T
8/8

1) 砂田淳子,浅利誠志,井上幸次ほか:真菌性角膜炎に関する多施設共同前向き観察研究─真菌の同定と薬剤感受性検査について─.日眼会誌 120:17-27, 2016 2) 山口英世:病原真菌と真菌症.161,南山堂,東京,1999 3) 秦野 寛:身につく結膜疾患の診断と治療.82, 金原出版,東京,2012 4) 福田 憲:【角結膜感染症の外来診療】 アレルギー性結膜疾患.OCULISTA 7:49-57, 2013 5) 井上幸次,大橋裕一,鈴木 崇ほか:真菌性角膜炎に関する多施設共同前向き観察研究─患者背景・臨床所見・治療・予後の現況─.日眼会誌 120:5-16, 2016 6) 西田輝夫:ケースで学ぶ日常みる角膜疾患.272-5,医学書院,東京,20101054図10病巣部が角膜周辺に及び,かつ範囲が狭い場合のPKPのデザイン患眼角膜と同様に移植片もシフトさせて点線のように打ち抜く。このようにデザインすることで術後の角膜乱視の軽減が図れると思われる。患 眼病巣部移植片用の強角膜片を裏から見たところても,明らかに眼内に感染が進行しており,光覚弁も消失しているような症例では眼球内容除去に術式をコンバートする場合もあり得るので手術説明には留意が必要である。Candida角膜炎を起こしている眼が既に白内障手術を施行されており,なおかつ破嚢している場合には眼内炎へ移行する可能性もあるため,頻回に超音波検査を行い硝子体混濁の有無等を評価する必要がある。文献がある。非移植眼の場合,まず薬物治療に抵抗性であれば,病巣が角膜中央側に限局し,通常の角膜移植で完全に除去できそうな場合はPKPを行う。狭い範囲ではあるが周辺に病巣が及んでいる場合は打ち抜く範囲を周辺部寄りに少しシフトしてPKPを行う。この場合,移植片自体もシフトして打ち抜けば,術後の角膜乱視を軽減できる可能性がある(図10)。移植眼の場合,病巣がgraftからrecipientに広がり始めていれば薬物治療で完治する可能性は低いため,早めに治療的角膜移植を行ったほうが良い。Recipient側に広く病巣が進展すると治療的PKPのみでは病巣の完全な除去が困難となるため周辺部の角膜全層切除を行い,同部位に部分的に周辺部強角膜移植を併用する(図6)。この場合recipient側を切除した範囲の隅角から閉塞していく可能性が高く,術後の眼圧管理が必要となる。さらに病巣が角膜全体に及ぶ場合には最終手段として強角膜移植の適応になるが,続発緑内障は必発であるため同時の緑内障手術が望ましいものの,治療成績も不良である。また,角膜移植を遂行するつもりで執刀を開始し**

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る