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図4共焦点顕微鏡による観察角膜実質中に仮性菌糸を多数認めた。本症例では病巣部よりC. albicansが検出された。1049図3前眼部OCTによる観察図2と同一の症例。細隙灯顕微鏡検査では濃い膿瘍のため病巣の深達度や詳細がわかりかねるが,前眼部OCTで観察すると膿瘍が増大し,デスメ膜剥離を起こして前房内へ穿破寸前であることがわかる。察できるわけではないので,観察されなかったからといってCandida角膜炎を否定できるわけではないので留意が必要である。早期の軽症例(図5)では病巣のサイズは小さく,潰瘍部以外の角膜浸潤の程度は軽度である。Candida角膜炎では糸状菌などの他の真菌感染と同様に,角膜における浸潤は病巣部のみに比較的限局性に認められることが多く,この点において細菌感染との鑑別に有用である。絶対ではないものの,病巣部は角膜上皮欠損部が膿瘍部より狭い,奥に広がる氷山の一角のような形状を示すことが多い。軽症例では結膜充血も軽度で前房蓄膿も認めないことが多い。一方,進行した重症例では病巣のサイズは大きくなり,病巣部以外の角膜浸潤の程度も少し強くなる。また,前房蓄膿を認めることも多い。特に移植眼の場合には病巣はgraft側の縫合糸付近に

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