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図5Fusarium属の巨大コロニーA:接種14日後の培地の表:羽毛状の白色コロニーが確認できる。B:接種14日後の培地の裏:わずかにピンク色を呈している。4治療法糸状菌感染では迅速かつ厳重な抗真菌療法(表1)が必須である。眼局所ではなんらかの抗真菌点眼薬の1〜2時間ごとの頻回点眼に加え,眼軟膏を3〜4回塗布する。全身投与は,アゾール系やポリエン系などを,可能であれば深在性真菌症時の最大量を投与する。最終的な投与量は,肝臓機能や腎臓機能,体重などを考慮して決定する。1043ABAB図6角膜擦過物とスライドカルチャー(いずれも×200)A:角膜擦過物のファンギフローラYⓇ染色像:菌糸が確認できるが,これでは属もわからない。B:同じ症例から分離された株のスライドカルチャー像:三日月状の大型分生子を形成し,その形態からFu-sarium属と同定できる。確認することと,スライドカルチャーで分生子や分生子柄,あるいは胞子の状態を検鏡する(図6A,B)必要がある。スライドカルチャーは古典的な検査だが,属・種の識別能は高く,スライドカルチャーだけで厳密な種同定が可能なこともある(図6〜8)。遺伝学的な種同定法が普及しつつある現在もなお,種同定には必須の検査である。

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