図2隔壁糸状菌のスライドカルチャー像(×1,000)。菌糸に隔壁がある。図1菌糸の成長角膜擦過物のディフ・クイック染色(×1,000)。管状の菌糸が分枝して成長している。図4ファンギフローラYⓇ染色(×200)角膜擦過物中の菌糸のみが明瞭に染色されている。図3Aspergillus nigerのスライドカルチャー像泡盛や焼酎の醸造で使用される黒麹菌類縁といわれるAspergillus niger。1042cer)があれば,十分な問診とあわせて糸状菌感染を疑うことはさほど難しくない。塗抹検鏡では,グラム染色,ギムザ染色,およびファンギフローラYⓇ染色のどれか,あるいは複数を使用するのがよい。グラム染色では,原則として真菌はグラム陽性(青紫)に染まり,ファンギフローラYⓇ染色では菌糸のみが明瞭に映る。いずれも菌糸が進展している像が得られる(図4)。細菌性角膜炎では,起炎菌の種によって細隙灯顕微鏡所見の違いがわかることがあるが,糸状菌感染は,属や種による細隙灯顕微鏡所見の違いがわかることはない。場合によっては,酵母型真菌による角膜真菌症か糸状菌によるものかの鑑別すら難しいことがある。よって,厳密な属あるいは種レベルの同定をするには,培養で巨大コロニー(図5A,B)を形成させ,その形態を肉眼所見で(×400)
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