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SSPM図6診断のポイント左はグラム陽性菌による限局膿瘍,右はグラム陰性菌による輪状膿瘍4治 療感染症はすべてhost-parasite-drugrelation-shipにある。治療ではhost-drug関係であるPK(pharmacokinetics)薬動学(到達性)とparasite-drug関係であるPD(pharmacodynamics)薬力学(作用力)の2つの関係PK/PD(表4)が重要である。両者が充足されない治療は失敗する。ミサイル攻撃に例えるとPKはミサイル到達性能に,・PK:pharmacokinetics  薬 動 学吸収分布 ミサイル到達性能・PD:pharmacodynamics 薬 力 学殺滅効力 弾頭破壊力能であり,薬剤選択上早道である。AQCmax(点眼の前房移行)MIC表4“感染症はPK/PD保障”trate)する傾向があり,対照的であることである。また,緑膿菌を代表としたグラム陰性菌はこの結果,輪部からの免疫応答を受けて輪状膿瘍を形成する頻度が高いことも有名である。 2 細菌学的検査塗抹検鏡と培養検査が重要である。特に塗抹検鏡(グラム染色,ディフ・クイック染色)は省略されやすいが,即時診断的価値があり是非とも主治医自らが実施することが望ましい。標本上,緑膿菌,セラチア菌の特徴は大小不揃いの小桿菌である。モラクセラ菌は,必ず2菌体が縦に連なった対で見られ,おそらくバクテリアの中で一番の大双桿菌であり,非常にわかりやすいため,塗沫診断は容易である。是非習得するとよい。肺炎レンサ球菌は双球菌であり,両端が槍先のようにやや尖っていて,ブドウ球菌のような完全な球形ではない。これをLancet型という。この菌の特徴を習得すると,その場で肺炎レンサ球菌の同定が可129Vol.58 No.2 2016

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