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(­)真菌・アメーバその他グラム陰性桿菌グラム陽性球菌G+ :常在菌G- :環境菌戻し装用G+ 7例G- 16例使い捨てG+ 10例G- 2例表3緑膿菌の呼吸用末端酸化酵素図3CLの種類と起炎菌1)常在菌:G(+)菌(95 %)One day(例)50れている。 2 グラム陽性菌このグループの代表である肺炎レンサ球菌は,他の日和見感染菌(ブドウ球菌,緑膿菌,モラクセラ菌)と異なり,本来唯一正統の角膜病原菌である。病原性の主因は莢膜(capsule)で,これが好中球による食菌へ抵抗する鎧の働きをする。菌は食菌で死滅することなく好中球を呼び寄せ続ける。破壊的機序としては集合してきた好中球から出るプロテアーゼ,活性酸素などによる角膜組織破壊である。したがって,自ら蛋白分解酵素を出すグラム陰性菌のように初期から深く掘れた潰瘍を形成することはなく限局膿瘍を形成する。 3 最近のトピックス「コリネバクテリウムの台頭」最近,行われた全国レベルの眼感染症疫学スタディ3)で判明した重要な知見がある。それは,従陽性菌汚染陰性菌汚染2 weeks環境菌:G(­)菌緑膿菌+アメーバ403020100FRSCL43例DSCL19例SCL13例(従来型)シトクロムc酸化酵素(aa3,cbb3-1,cbb3-2)キノール酸化酵素(bo3,CIO)好気呼吸+嫌気呼吸+発酵代謝“いかなる環境でもATPをgetできる”HCL13例治療用SCL13例来はただの雑菌として病原性を評価されなかったコリネバクテリウムの起炎菌としてのプレゼンスである。原因は不明だが,コリネバクテリウムのキノロン薬耐性がきわめてはっきり出ていることから,キノロン薬の多用乱用が関与している可能性は大である。次に,筆者が最近経験したステロイド点眼とキノロン薬点眼を継続していた移植片に発症した,コリネバクテリウム角膜潰瘍の1症例を提示する。図5に症例写真と塗抹検鏡像を示した。 4 症例(図5)患 者:74歳男性主 訴:右眼充血既往歴:30年前右角膜入墨術,慢性腎不全で腹膜透析中現病歴:2007年6月,右角膜移植術目的に当したたかさ!図2なぜCL関連角膜感染は緑膿菌が多いか?127Vol.58 No.2 2016➡

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