02453201602-1T
2/6

2353917341320〜9表2重症コンタクトレンズ関連角膜感染症全国調図1 感染性角膜炎の年齢分布と感染時のコンタクト(例)6050403020100たたかな抵抗性を所持しているためである。その基礎は呼吸酵素である。表3に示したごとく本菌は末端酸化酵素を5つ持っている。それはシトクロムc酸化酵素(aa3,cbb3-1,cbb3-2),キノール酸化酵素(bo3,CIO)の5つである。cbb3-1,cbb3-2が低酸素状態で働き,aa3,bo3,CIOが高酸素状態で働くことにより,酸素濃度に無関係にATPを獲得する呼吸機構を所有しているためである。その他,緑膿菌は発酵代謝も可能でそれからも生命力を得ている。つまり,低酸素の悪環境でブドウ球菌属やレンサ球菌属などが苦しむ中で,それをものともせずきわめてしたたかに生き続けるすべを持っている細菌なのである(図4)。グラム陽性菌グラム陰性菌*Colombia presbyterian medical centerのデータコンタクトレンズ使用(+) コンタクトレンズ使用(­)10代20代30代S.aureusS.pneumoniaeCNSStrept. spp.others小計P.aeruginosaMoraxella spp.Serratiaothers小計5040代代年 齢(歳)60代70代80代90代表1細菌性角膜炎の起炎菌の変遷Colombia*1938-68日米5施設1964-821,7551,233193,0071947759330菌種S.aureusS.epidermidisCorynebacteriumP.aeruginosaSerratiaGNRFungusAcanthamoeba上記2点の理由から,コンタクトレンズなる文明ツールがなくならない限り角膜感染症における緑膿菌の優位性は揺るがないはずである。緑膿菌の病原性の主要なのものは蛋白分解酵素のエラスターゼでありきわめて組織破壊的である。他ではアルカリプロテアーゼも知られている。一般にグラム陰性菌の病原性は蛋白分解酵素によることが多くモラクセラ菌,セラチア菌(56Kプロテアーゼ)も同様である。毒素では緑膿菌の場合エキソトキシンAが有名である。本菌には輪状膿瘍が特徴的とされるが,これは組織学的に白血球の集合で,その成因にグラム陰性菌細胞壁のリポ多糖であるエンドトキシンが関与しているとさ3122213171128632826152角膜3567034156コンタクトケース査での検出菌2)レンズ使用1)126

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る