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また,附属書

G

(規定)に「可燃性麻酔剤の発火

を引き起こすハザードに関する保護」の規定が詳

細に載っている。

全体を通して,各所で「リスクマネジメントを

適用し,安全を確保する」ことが要求されている。

C.副通則

安全通則

JIST0601

-

1

を補完する目的で,副通

則が定められている。現在

JIS

化されているもの

を表14に示す。

D.病院電気設備の安全基準

1982

年に制定された

JIST1022

�病院電気設備

の安全基準�は

1996

年,

2006

年さらに

2018

年に

改正された。この規格の内容は,保護接地(医用

コンセント)

,等電位接地,非常電源,非接地配線

および医用室の電源回路などに関する規定を含ん

でいる。

なお,関連規格として

JIST1021

�医用差込接

続器�,

JISC2808

�医用接地センタボディーおよ

び医用接地端子�がある。

医用接地方式

a)保護接地(医用コンセント)

ME

機器を使うすべての医用室には,クラスⅠ

の機器が使えるよう

3P

式の医用コンセントを設

備しなければならない。このため医用接地方式を

施設し,保護接地端子を設ける。

各医用室に医用接地センタを設け(隣接する医

用室との床面積の合計が

50m

2

以下の場合は,接

地センタを共用してもよい)

,その部屋のすべて

の金属をそれに一点接地する。これらは

10

`

下の接地抵抗をもった接地極に接続する。なお,

10

`

以下の接地抵抗は,病院建物の地下部分を利

用することで容易に実現できる。

b)等電位接地

等電位接地とは,患者周囲で患者が触れうるす

べての機器,露出金属を

0

.

1

`

以下の導線で一点

に集中接地することによって,すべての金属表面

間の電位差を

10mV

以下に抑えるミクロショッ

ク対策のシステムで,別名EPR(

equipotential

patientreference

)システムともいう。

心臓に直接,電極やカテーテルを挿入して検査

や治療を行う医用室(心臓カテーテル検査室,

ICU

CCU

,心臓手術室など)では,ミクロショッ

ク事故防止のために,等電位接地設備を設けなけ

ればならない。

非接地配線方式

設備側に絶縁変圧器(絶縁トランス)を設け,

その

2

次側電路を,どれも接地しない方式の配線

方式を非接地配線方式(フローティング電源)と

いう。

非接地配線方式の主たる目的は,

�一線の対地

絶縁破壊(地絡)時にも電源の供給を確保する�

ことである。わずか一つの機器の絶縁不良事故の

ために停電して,重要な機器が止まってしまうこ

とのないように,多くの生命維持装置を使用する

場所には必要な配線方式である。

なお,絶縁変圧器の

2

次巻線から

1

次巻線への

Ⅳ.医用機器安全管理学

519










医用電気機器

第1-2部:安全に関する一般的要求事項

電磁両

立性

要求事項及び試験

JIST0601-1-2

医用電気機器

第1-8部:基礎安全及び基本性能に関する一般要

求事項

副通則:医用電気機器及び医用電気システムのアラーム

システムに関する一般要求事項,試験方法及び適用指針

JIST60601-1-8

医用電気機器

第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要

求事項

副通則:診断用X線装置における放射線防護

医用電気機器

第1部:安全に関する一般的要求事項

第1節:

副通則

医用電気システムの安全要求事項

JIST0601-1-1

JIST0601-1-3

表14

JIST0601-1の副通則