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答　問101：1，3，4，問102：3

1.　基本的事項・基本操作

問 101★★★

既出【X─②─2─I】（ID 0000189）

蛍光分光光度計について正しいのはどれか。3
つ選べ。
1． 励起光源にはXeランプを用いる。
2． 試料セルにはガラス製を用いる。
3． 物質が励起状態から基底状態に戻る時に発

光する。

4． 低濃度では蛍光強度が濃度に比例する。
5． 蛍光は励起光よりも短波長である。

 作問のねらい  分光光度計を多く用いる分光分析
は，臨床検査には不可欠な方法である。分光光度計
の原理，目的と特殊な分光分析としての蛍光光度
計，原子吸光光度計などの原理，目的も理解する必
要がある。

〔注解〕 1．励起光源には高輝度のXe（キセノン）ラ

ンプを用いる。

2．ガラス製セルは蛍光を発するので石英製を用

いる。

3．試料に励起光を当て，励起状態から基底状態

に戻る時に蛍光を発する。

4．物質の濃度と蛍光強度は比例する。
5．蛍光波長は励起光の波長より長い。

問 102★★★

既出【X─②─2─C】（ID 0000190）

遠心力について正しいのはどれか。
1． 回転数に比例する。
2． 回転半径に反比例する。
3． 角速度の2乗に比例する。
4． 質量に反比例する。
5． 円周の接線方向に働く。

 作問のねらい  遠心機は血清分離などの際に重要
な機器である。検査項目ごとの適正な回転数を理解
することは，溶血や成分の破壊防止などに重要であ
る。種々な遠心機が使用されているのでその目的も
理解する必要がある。

〔注解〕 遠心力FはF＝m・r・ω

2

で表せる。

mは物質の質量（kg），rは回転半径（m），ωは角

速度（ラジアン／sec）。

回転数n（ラジアン／分）とすると，
ω＝2・π・n／60

つまり，F＝（π

2

／900）・m・r・n

2

となり，遠心力

は，その物質の質量と回転半径と（回転数）

2

に比例

する。

重力加速度＝980m（dyn）を用いると遠心力は

1.118×10

−5

r・n

2

（g）となる。

ただし，回転数が同じでも遠心機の回転半径が異

なるため，遠心力は回転数（rpm：1分間の回転数）
ではなく，遠心力Gで表すのが一般的である（例，
尿沈渣作製の遠心力は500Gである）。

検査総論

4 臨床検査総論

4

［国家試験の出題傾向］

臨床検査総論は従来の一般検査総論，検査管理総論および検査機器総論に分類される。
第62回の国試では従来の一般検査総論で出題されていた尿蛋白や尿糖測定に関する問題が見られず，

尿や糞便の性状と疾患の組み合わせが出題されている。今後，「検査説明のできる臨床検査技師」を意識
した出題を予見させる。基礎的な検体取り扱い，生理的変動，緊急検査として重要な髄液検査の赤血球補
正および尿沈渣と染色も，基礎的内容として出題されている。

検査管理総論としては，最近話題のコンパニオン検査は新しい考えに基づく臨床検査の分野，ISO15189

認証による臨床検査室の国際的評価は初めての出題であり，今後，関連事項に注目する必要がある。臨床
検査の基本である正確度・精密度や確定診断に用いられる臨床検査の必要条件についても出題された。

検査機器総論では，POCTと分子ふるい効果による分析について出題された（過去にも出題あり）。
今回は検査法よりも検査管理の問題が多く出題されている点が注目され，今の臨床検査室が直面してい

る問題に踏み込んだ内容である。