2. 症候・症状 43

 問203:3,4,問204:2,問205:3

床症状である。

4.肝硬変では,門脈圧亢進症のため側副血行路

が形成される。食道静脈瘤や脾動脈,胃動脈なども
側副血行路となる。脾動脈が側副血行路となり,血
流が増加することで脾腫となる。

5.膀胱炎の臨床症状として代表的なものに排尿

時痛,頻尿,残尿感などがある。発熱や腰痛は腎盂
腎炎でみられるが,膀胱炎ではこれらの症状はな
い。

問 203★ 

2011【Ⅱ─8─A,D】(ID 2011111)

高血圧をきたすのはどれか。2つ選べ。
1.アジソン病
2.クレチン症
3.褐色細胞腫
4.先端巨大症
5.副甲状腺機能低下症

 作問のねらい  二次性高血圧症をきたす代表的な
基礎疾患を理解し,高血圧症となるメカニズムをま
とめておく。

〔注解〕 1.アジソン病は一般的に後天性副腎機能

低下症をいう。ミネラルコルチコイドとグルココル
チコイド分泌不全の一症状として低血圧症となる。

2.クレチン症は先天性甲状腺機能低下症のこと

で,本邦では新生児マススクリーニングにより早期
発見・治療が行われている。基礎代謝が低下する。

3.褐色細胞腫は,副腎腫瘍により副腎髄質また

は傍神経節組織由来を示唆する腫瘍。アドレナリン
分泌異常により高血圧となる。

4.先端巨大症では,骨端線閉鎖後に下垂体腺腫

などにより成長ホルモン(GH)の分泌過剰となる。
GHは近位尿細管のNa再吸収を促進,血管平滑筋
への直接作用などにより高血圧となる。

5.副甲状腺ホルモン分泌が低下すると低カルシ

ウム血症となる。低カルシウム血症により神経過
敏,全身性発作,テタニー,顔面筋の痙攣などの症
状が出現する。

問 204★

2013【Ⅱ─12─C】(ID 2013147)

特異性炎でないのはどれか。
1.Hansen病
2.アメーバ赤痢
3.結 核
4.サルコイドーシス
5.梅 毒

 作問のねらい  疾患を特定するのに特徴的な組織
をみればよいという「特異性炎」についての設問で

ある。

〔注解〕 特異性炎とは,それぞれに特異的な組織像

を示す慢性肉芽性炎症を生じる疾患の総称である。

1.らい菌感染による肉芽腫性病変がさまざまな

臓器に形成される。

2.赤痢アメーバにより消化管や肝臓に潰瘍性病

変を形成するが,肉芽性炎症は生じない。

3.結核菌により肺などに肉芽腫性病変を形成す

る。

4.肺門などにサルコイド結節という肉芽腫性病

変を形成する。

5.梅毒トリポネーマによる肉芽腫が形成される。

問 205★

2015【Ⅱ─1─B】(ID 2015006)

イチゴゼリー状の下痢便を呈する疾患はどれ
か。
1.コレラ
2.細菌性赤痢
3.アメーバ赤痢
4.サルモネラ腸炎
5.カンピロバクター腸炎

 作問のねらい  便性状と疾患について理解するこ
とで,検体として提出される便性状から次に行うべ
き検査を確実に選択する。

〔注解〕 1.コレラの便性状は軽症の場合は軟便で

あるが,重症化すると米のとぎ汁様となる。

2.細菌性赤痢は発熱,水様性下痢の後しぶり腹

や膿粘血便などがみられる。

3.アメーバ赤痢の便性状は粘血便,特にイチゴ

ゼリー状の粘血便が特徴的とされる。

4.サルモネラ腸炎および5.カンピロバクター

腸炎の便性状は水様便,粘血便,血便。

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