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1.電気診断学

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電気診断学

電気診断

electrodiagnosis

)の範疇は広いが,リハビリテーション(以下リハ)の領域では神経伝導検

査(nerve conduction study;NCS)と筋電図(electromyography;EMG)が主軸をなす。運動や感覚と
いった機能異常を診る補助診断として神経内科や整形外科疾患に用いられるが,リハに求められるもの
は傷病の原因あるいは病巣診断以上に,重症度の判定,回復の経過観察,そして麻痺や感覚障害の予後
診断である。

 A 

‌‌リハビリテーション医学における

電気診断学の意義

1.

神経傷害の分類

神経傷害後の麻痺と回復の説明には

Seddonの

神経傷害分類

図3-1)が用いられる。3つの類型

があり,いずれでも神経の伝導性は絶たれ,麻痺
と感覚障害を生じるが,その回復の経過は大きく
異なる。最も軽症なものは局所の髄鞘の傷害,す
なわち

節性脱髄

(segmental demyelination)で

neurapraxia

と呼ばれるが,傷害の原因が取り除

かれれば日単位の短期間で伝導性回復が期待でき
る。

一方,軸索の傷害は

axonotmesis

と呼ばれ,傷

害局所から末梢側に向かって

Waller変性

を生じ

る。したがって,軸索が全長にわたって再生しな
ければ伝導性は復活しない。神経の再生速度は一
般に1〜2mm

/

dayで,回復には月単位の長期間

を要することになる。軸索に加えて,それを取り
囲む神経内膜が断裂した病態は

neurotmesis

と呼

ばれる。神経が再生する間質組織基盤を失ってい
るために回復は期待できない。通常,圧迫による
神経傷害では,正常の神経線維とこれら3つの類
型の病態の神経線維が混在している。したがっ
て,回復過程は神経束の中の個々の神経線維の傷

害3類型がどのような割合で存在するかによると
考えられる。

2.

障害と診断

麻痺や感覚障害の病歴や随伴症状も加味して傷

病(表3-1)を診断し,NCSとEMGを組み合わせ
て病巣部位を確定し,併せて傷害の重症度を推定
する。整形外科疾患では結果が治療方針に大きく
影響することを念頭におく。手術介入によって,
麻痺のみならず痛みや感覚障害改善が期待できる
場合も多い。痛みの強い急性・亜急性の手根管症
候群,巧緻運動に支障を来した進行性の尺屈神経
麻痺,重度の麻痺を呈したKeegan型頚椎症や頚
椎症性脊髄症,痛みやしびれ,さらに麻痺を伴う
腰部椎間板ヘルニアなどである。傷害の主体が
neurapraxiaなのかaxonotmesisなのかを判定す
る必要がある。

一方,針筋電図とは似て非なるものが表面筋電

図である。同時に多数の筋活動を計測するポリグ
ラフとして用いることで,障害の診断評価の一助
になる。随意運動のみならず,反射や不随意運動
の解析,また動きを伴う場合には加速度計やゴニ
オメータと同時に記録する。痙縮筋の不随意同時
収縮,振戦やジストニアなどの不随意収縮筋の同
定などに応用できる。

リハビリテーション診断

Chapter

3