34 レベル3 機能障害に対する介入技能
設問
発症後5カ月経過した左片麻痺の患者です。発症後の運動麻痺による不動期間があり,筋の短縮によ
る左肩関節可動域制限が生じています。この患者の左肩関節屈曲可動域改善を目的に,他動的可動域運
動として10秒程度の持続伸張を実施してください。可動域の確認は試験時間の都合,目視にて行ってく
ださい。制限時間は5分です。では,始めてください。
準備するもの
治療用ベッド,枕,クッション
患者情報
疾患・障害脳梗塞・左片麻痺
関節可動域左肩関節屈曲110°(P),外転100°(P)
年齢・性別60歳代・不問
疼痛左肩関節最終可動域に伸張痛
発症後期間5カ月
表在覚正常
BRS
*
上肢:Ⅴ 手指:Ⅳ 下肢:Ⅴ
深部覚正常
Modified
AshworthScale上腕二頭筋:1 手関節屈筋群:1
理解良好
表出良好
*
Brunnstrom Recovery Stage
関節可動域の現状
他動運動にて関節可動域運動を行うと,肩関節包および広背筋・大円筋の短縮により肩関節屈曲100°
付近から抵抗感があり肩関節屈曲110°で可動域制限が生じる。座位にて肩関節屈曲の自動運動を行う
際,90°以上屈曲すると,肩甲帯挙上および軽度肘関節屈曲の代償動作が出現する。
経過と目標
脳梗塞により左片麻痺を呈し,発症後5カ月経過している。回復期リハビリテーション病棟入院中で
あり,FIMは118点,2週間後に退院予定である。退院に際し,家業である小売店への復帰を強く希望
している。発症直後は肩関節周囲筋が弛緩状態,その後,麻痺は順調に回復したものの肩関節の拘縮が
発生した。現在,左肩関節包と広背筋・大円筋の短縮を認め,左肩関節屈曲110°,関節可動域運動によ
り軽度の改善を認める。復職に際し,棚に商品を配置する動作が遂行できるか懸念しており,そのため
関節可動域運動を行っている。
課題の目標
態度
1.関節可動域運動に備えた心がけができる(清潔で安全な身なり)。
2.患者に関節可動域運動を行う旨を説明し,了承を得ることができる。
3.患者に不快な思いをさせない(話し方,表情,振る舞い)。
技能
1.患者の安全に配慮しながら進めることができる。
2.関節可動域運動を行うための準備を行うことができる。
3.関節可動域運動を適切な手順および方法で行うことができる。
4.患者に適切なフィードバックを適宜行うことができる。
関節可動域運動
OSCE課題
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