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実践  編

c.運動強度が適切か判断するには

1)トークテスト

図4

運動中に話しかけながら,患者の表情や呼吸の仕

方を確認することは重要である。

ATを上回るような運動強度であった場合には
会話が続かず,「はい」や「うん」といった片
言でしか返事を返すことができない。

運動中に話しかけてみて

30秒程度の会話のや

りとりができるかを確認

する。

2)心拍数の推移を観察

図5

運動中の心拍数の推移を観察することが重要で
ある。

運動強度がAT以下で一定の持続的運動であれ
ば,運動中の心拍数は定常状態

となる。適切な

負荷強度で運動が行われていれば開始から5分
程度で心拍数は定常状態となるはずである。

図4

 トークテストとバイタルチェック

強い息切れは? 胸郭の動きは? 会話はできる? 苦悶の表
情は? これらを話しかけながら確認する。

図5

 心拍数の推移

(信州大学e-Learning教材:運動生理学を参考に作図)

心拍数

160

120

80

40

0

-40

開始

10

20

30

(分)

(bpm)

定常状態

安静

安静

AT強度の有酸素運動

留意点

留意点

 Karvonen法のような心拍数を運動強度の目安に利用する方法は,β遮
断薬など運動時の心拍上昇を抑制するような薬剤を内服している患者には適
切でない。