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 解剖学的な位置から左下腹部(D領域)に造設されることが多い。待機手術の場合はエンドストーマのことが多く,ストーマ径が大きくなることは少ない。しかし緊急手術などでループストーマが造設される場合は巨大ストーマになることもある。そのため,近接する正中線や上前腸骨棘の位置に十分注意してマーキングを行う。 肥満体型の場合,座位で自分の下腹部が見えないことや,皮下脂肪により下腹部に深い皺が入り,安定した位置が確保できない場合がある。その場合は執刀医とよく相談のうえ,左上腹部(C領域)にマーキングする。 腸管の可動性が少ないため,ストーマが造設されることは少ない。下行結腸でストーマを造設する予定のときは,ストーマ造設やストーマ位置について,執刀医と看護師でよく情報交換をしてから実施する必要がある。一般的には左下腹部(D領域)にマーキングすることが多い。iii)横行結腸ストーマ(図9—3—9) 解剖学的な位置から左右上腹部(A領域,C領域)に造設されることが多い。緊急で症状コントロールや救命目的で造設されたり,緩和ストーマとして造設される場合が多い。ストーマ径が大きくなりやすく,上腹部は肋骨弓と近接するため,a)結腸ストーマ ストーマ位置決めの原則に基づき,基本的手順①~⑬で行う。ストーマ造設では,ストーマに使用する腸管を腹壁を貫いて腹壁外まで挙上し,ある程度の高さが確保できる状態で固定する。そのため挙上するための腸管の可動域と十分な長さが必要である。腸管の可動域があることからS状結腸,横行結腸でストーマ造設されることが多く,下行結腸は可動性が少なく脾結腸間膜の切離を要するため,造設されることは少ない。i)S状結腸ストーマ(図9—3—7,8)140第9章 ストーマの位置決め術式,ストーマ造設に合わせた腹部の区域で安定する位置をさがす。ii)下行結腸ストーマ図9—3—6 安定する位置

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