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9第9章 ストーマの位置決め7肋軟骨に終わり,剣状突起部分で横幅は広く,厚みは薄くなっている(図9—3—3)。  腹壁を緊張させる具体的な方法として,仰臥位で首を上げて臍を見てもらう,両足を少し上げてもらう,咳込んでもらうなどの方法がある。  患者に無理のない程度で協力してもらい,外縁を触知できるようにする(図9—3—4,5)。⑦術式,ストーマ造設位置に合わせた腹部の区域にマーキングディスクを置き,安定する位置にマークする(図9—3—6)。⑧座位,立位,前屈位をとり,腹壁の膨隆や皺の発生などの変化を観察し,マーキングディスクが安定する位置にマークをずらし修正する。 ・仰臥位では腹部全体を正確に観察することが可能である。しかし生活するなかで仰臥位でいる時間は非常に少なく,座位や立位などでいることが多い。動的に変化する腹壁で安定したストーマケアが行えるよう,様々な体位で腹壁を観察する。⑨座位で患者が見ることができる位置かを確認する。⑩患者の生活や服装,仕事や趣味などを可能な範囲で考慮し,患者と位置を相談する。⑪最終的に決定した位置を油性ペンでマーキングする。⑫仰臥位で,最終的なマーキングの位置を記録する。  ストーマの位置決めの評価を行うため,マーキング部位の計測を行い記録に残す。計測部位は正中,臍,臍上の水平線,肋骨弓,上前腸骨棘それぞれまでの距離など3カ所以上を測定し,位置がわかるようにする。手術後は術前に決定した位置にストーマが造設されているか,造設されなかった場合の理由は何かを情報交換し,今後に活用する。  また,実施したストーマ位置決めが効果的であったか,外来などで再度ストーマ局所状況,ストーマケア,生活などを含めて評価する。⑬不要な線を消し,腹部を清拭する。3.位置決めの実際139図9—3—3 腹直筋図9—3—4 仰臥位で始める図9—3—5 仰臥位で基本線を引く

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