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ABCD上前腸骨棘助骨弓下縁正中線臍の水平線仰臥位で基本線を引く。b)手術創のデザイン 近年,待機手術においては腹腔鏡下手技による手術が増加傾向にある。しかし緊急手術など,開腹手術によるストーマ造設もまだまだ数が多い。どのような方法であってもストーマ造設手術はストーマ創近傍に清潔一次縫合創やドレーン創が複数個あるため,それぞれ別個に創傷管理をする必要がある。手術前から執刀医と看護師がよく情報交換を行い,ストーマの位置や大きさ,その他ドレーン挿入部などを検討することが重要である。c)ストーマサイト マーキングの実施 ストーマサイト マーキングの意義が認められ,2012年「人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算」450点が新設された。これは,厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において,手術の前に療養上の必要性を踏まえ,人工肛門または人工膀胱を設置する位置を決めた場合に算定する。 人工肛門のケアにかかる適切な研修を修了した者が,手術を実施する医師とともに,人工肛門造設後の合併症等の予防のため,術前の画像診断や触診等により,腹直筋の位置を確認した上で,適切な造設部位に術前に印をつけるなどの処置を実施した場合に算定することができる(❶節 表9—1—1)。ながら線を引く。 ・腹直筋の外縁を触知する際,腹直筋の解剖学を理解する必要がある。  腹直筋は恥骨,恥骨結合から始まり,第5~138第9章 ストーマの位置決め①臍より低い位置②腹部脂肪層の頂点③腹直筋を貫く位置④皮膚のくぼみ,皺,瘢痕,上前腸骨棘の近くを避けた位置⑤本人が見ることができ,セルフケアしやすい位置①腹直筋を貫通させる②あらゆる体位(仰臥位,座位,立位,前屈位)をとって,皺,瘢痕,骨突起,臍を避ける③座位で患者自身が見ることができる位置④ストーマ周囲平面の確保ができる位置 これらの原則は,ストーマ合併症の予防とストーマケアの確立,セルフケア習得のために必要な内容が含まれているため,これに沿って実施する。表9—3—4 クリーブランドクリニックの原則表9—3—5 ストーマサイト マーキングの原則図9—3—1 腹部の区分け図9—3—2 ストーマ位置決めの手順4区分A:右上腹部B:右下腹部C:左上腹部D:左下腹部 4  基本的な手順を以下に示す。①仰臥位で上下腹部が見える状態で開始する。 ・腹部の区分けについては図9—3—1に示す。②仰臥位で以下の基本線を引く(図9—3—2)。③上下腹部に正中線。④臍にかかる水平線。⑤肋骨弓下縁,上前腸骨棘。⑥腹壁を緊張させ,腹直筋外縁を指の腹で確認し手順

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