Ⅱ.臨床所見の記載  

3

 

b)舌下面(舌腹)

(C02.2)

(6)口腔底/口底(C04)

2)病巣の数および大きさ

病巣の個数 単発/多発__個
長径(mm)×それに直交する短径(mm)×厚さ(mm)

3)深達度depth of invasion(DOI)

UICC(第8版)およびAJCC(第8版)からT分類に深達度(depth of invasion:

DOI)の概念が導入された。深達度(DOI)の概念は,口唇および口腔のみに適
応される。深達度(DOI)は腫瘍周辺の正常粘膜基底膜から癌浸潤最深部までの
距離と定義され,腫瘍の厚さと区別することが重要である。深達度(DOI)は,
①5mm以下,②5mmをこえるが10mm以下,③10mmをこえる,の3段
階に診断される。診断に苦慮した場合は,明らかな場合を除いて,より小さい
方を採用する〔例:臨床的に深達度(DOI)4mmと6mmの区別は困難と思わ
れる。このような場合は,明らかな場合を除いて,小さい方,すなわち4mm
を採用する〕。

4)肉眼分類

表在型 superficial type 

表在性の発育を主とするもの

外向型 exophytic type 

外向性の発育を主とするもの

内向型 endophytic type 

内向性の発育を主とするもの

5)T-原発腫瘍

TX :原発腫瘍の評価が不可能
T0 :原発腫瘍を認めない
Tis :上皮内癌
T1 : 最大径が2cm以下かつ深達度が5mm以下の腫瘍
T2 : 

最大径が2cm以下かつ深達度が5mmをこえる腫瘍,または最大
径が2cmをこえるが4cm以下でかつ深達度が10mm以下の腫瘍

T3 : 

最大径が2cmをこえるが4cm以下でかつ深達度が10mmをこえ
る腫瘍,または最大径が4cmをこえ,かつ深達度が10mm以下の
腫瘍

T4a(口唇): 下顎骨皮質を貫通する腫瘍,下歯槽神経,口腔底/口底,皮

膚(オトガイ部または外鼻の)に浸潤する腫瘍

T4a

(口腔): 最大径が4cmをこえ,かつ深達度が10mmをこえる腫瘍,

または下顎もしくは上顎の骨皮質を貫通するか上顎洞に浸潤
する腫瘍,または顔面皮膚に浸潤する腫瘍

視・触診上,癌と判断した部分
の大きさを測定する。癌病変に
連続する白板症などについては
別に記載する。粘膜下の硬結
は,癌と判断した範囲を含めて
計測する。

消化管で用いる深達度とは異な
る。

詳細については解説p.67を参
照。

評価法は身体所見と画像診断で
ある。

赤字部分は2018年5月28日
に発表されたUICC第8版正
誤表(UICC 8th Edition Errata)
の内容を反映している。
舌癌において外舌筋への浸潤を
根拠にT4aとはしない。

r記号:一定の無病期間後に出
現した再発腫瘍は,分類の前に
接頭語rを付記して区別する。

小唾液腺癌については本規約に
準ずるが,T因子においてDOI
の概念は除く。
肉腫については本規約に準じた
記載が望ましい。