圧迫性脱毛(新生児後頭部脱毛)•術中の頭皮圧迫による局所の循環不全や,術中の血圧状態などが発症に関与しているとされる。予 後•深い潰瘍から瘢痕を形成しない限り,多くは一過性で,通常術後4カ月ほどで発毛をみる。ただし最終的に瘢痕性脱毛が残った症例も報告されている1)。•鉗子あるいは吸引による分娩で頭皮に外傷をきたし,瘢痕治癒したことによる脱毛。臨床像•長さ10cm,幅1.5cm程度の円形カップ型の傷(吸引カップ43 鉗子分娩,吸引分娩による瘢痕性脱毛定 義発症機序症例 頭蓋内出血後にみられた新生児後頭部脱毛3カ月女児。生後5〜6日目に頭蓋内出血あり。その後,硬膜下滲出をきたす。穿刺施行のため坊主頭にしたところU字形に脱毛しているのに気づく。初診時所見:後頭部から両側頭部に帯状に幅約2cmの脱毛斑を認める。脱毛斑部の毛包は残存し,うぶ毛状の毛がみられた。
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