医原性皮膚疾患としての脱毛13表1-1 医原性脱毛の種類と医療行為・圧迫性あるいは摩擦性脱毛:長時間にわたる全身麻酔下などにおいて枕に接することで生じる脱毛,ヘルメットなどの圧迫による脱毛。新生児後頭部脱毛(生後数カ月までの乳児によくみられる),摩擦や一部圧迫による脱毛る脱毛・瘢痕性脱毛:鉗子分娩や吸引分娩などで皮膚損傷部にみられる脱毛。その他,種々の皮膚疾患や熱傷後の瘢痕による脱毛•長時間にわたる全身麻酔下のもと手術を受けた後に生じる頭部の限局性脱毛。臨床像•頭頂部から後頭部にかけての帯状ないし三日月状,円弧状の脱毛斑で,円座枕などの圧迫による脱毛症と考えられている。•基本的には境界明瞭な限局性脱毛で,前駆症状として病変部皮膚に発赤,腫脹,びらん,浸出液,疼痛などが出現するが,侵襲の大きな手術後には全身管理,術創管理に治療が集中し,見過ごされることが多い。1.成長期脱毛①外傷性(または機械的)脱毛 全身麻酔下での枕による圧迫,術後の蛇行状脱毛 鉗子分娩や吸引分娩による外傷(皮膚損傷)②薬物(抗がん剤)③急性放射線障害(一過性脱毛,永久脱毛)2.休止期脱毛①手術(外科的ショック,出血など)②薬物(抗がん剤を除く)2 術後脱毛症(一部の新生児後頭部脱毛を含む)定 義
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