本診療ガイドラインが対象とする患者は,前庭神経炎である。それ以外のめまい疾患は対象としていない。AMED研究班が本診療ガイドラインのSCOPE(ガイドライン作成の企画書)を作成し,PICO(P:patients,problem,population;I:intervention;C:comparisons,controls,comparator;O:outcomes)を用いてCQを設定した。CQ:急性期の前庭神経炎に抗めまい薬は有効か?CQ:急性期の前庭神経炎に制吐薬は有効か?CQ:急性期の前庭神経炎にステロイドは有効か?CQ:急性期の前庭神経炎に抗ウイルス薬は有効か?CQ:慢性期の前庭神経炎に抗めまい薬は有効か?CQ:慢性期の前庭神経炎に前庭リハビリテーションは有効か?AMED研究班が前庭神経炎の治療に関する文献検索を行った。文献検索には,PubMed,CochraneLibrary,医学中央雑誌を用いて実施した。PubMedと医学中央雑誌では,疾患のキーワードとCQのキーワードを掛け合わせて検索した。研究デザインや論文形式による絞り込みは行っていない。CochraneLibraryでは,疾患のキーワードからシステマティックレビューとランダム化比較試験(RandomizedControlledTrial:RCT)を検索した。前庭神経炎の治療については,適切なシステマティックレビューやメタアナリシスが得られた場合には,その文献の含まれる論文以降の新規のRCTと合わせてエビデンスとして採択した。システマティックレビューやメタアナリシスが得られなかった場合には,RCTを検索した。RCTも得られない場合には,非RCTやコホート研究,症例対照研究などの観察研究もエビデンスとして採択した。副作用や合併症に関する研究結果は,エビデンスレベルによらず採択した。78.エビデンスの収集7.対象8.エビデンスの収集
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