72

調査結果

1

鼓膜所見

初診時の鼓膜所見から,OMAAVを1)肉芽性中耳炎型,2)滲出性中耳炎型,3)鼓膜正

常型に分類した。この検討では以下の症例は除外した。すなわち,初診時すでに前医や他
科もしくはOMAAV以外の疾患で副腎皮質ステロイドの投与を受けている症例,肉芽性
中耳炎型と滲出性中耳炎型の混在する症例,鼓膜穿孔があるもしくは鼓膜換気チューブ留
置を受けている症例である。これらを除外した269例について検討した。269例の中耳炎
型は,肉芽性中耳炎型(43.9%)と滲出性中耳炎型(48.7%)がほぼ同程度であった。年齢
や男女比などは大きな差はみられなかった(表2)。

表3に各鼓膜所見型の検査結果陽性率を示す。すべての鼓膜所見型でMPO-ANCAの陽

性率がPR3-ANCAよりも高かった。表4に各鼓膜所見型の他臓器病変および合併症の頻
度を示す。いずれも経過中に他臓器病変や合併症が出現していた。表5に各鼓膜所見型の
聴力および治療経過を示す。突発性難聴の判定基準に準じて,改善(気導閾値が5分法で
20dB以内もしくは対側正常の場合それと同程度まで改善)と著明回復(気導閾値が5分法
で30dB以上の改善)を合わせた症例は,肉芽性中耳炎型と滲出性中耳炎型では35%前後
であったのに対し,鼓膜正常型では10%であった。

表2 各鼓膜所見型の割合

肉芽性中耳炎型

滲出性中耳炎型

鼓膜正常型

症例数

118(44%)

131(49%)

20(7%)

年齢

26-83

13-89

32-82

中央値

67

68

70

性別(男:女)

1:2.1

1:3.5

1:4

表3 各鼓膜所見型の検査結果陽性率

肉芽性中耳炎型

n=113

滲出性中耳炎型

n=131

鼓膜正常型

n=19

MPO-ANCA陽性

61 (54%)

83 (63%)

10 (53%)

PR3-ANCA陽性

26 (23%)

25 (19%)

5 (26%)

両ANCA陽性

3 (3%)

7 (5%)

0

両ANCA陰性

23 (20%)

16 (12%)

4 (21%)

n=80

n=79

n=6

病理組織検査

15 (19%)

32 (41%)

3 (50%)

※他臓器からの検体を含む