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調査結果
Ⅱ
1
鼓膜所見
初診時の鼓膜所見から,OMAAVを1)肉芽性中耳炎型,2)滲出性中耳炎型,3)鼓膜正
常型に分類した。この検討では以下の症例は除外した。すなわち,初診時すでに前医や他
科もしくはOMAAV以外の疾患で副腎皮質ステロイドの投与を受けている症例,肉芽性
中耳炎型と滲出性中耳炎型の混在する症例,鼓膜穿孔があるもしくは鼓膜換気チューブ留
置を受けている症例である。これらを除外した269例について検討した。269例の中耳炎
型は,肉芽性中耳炎型(43.9%)と滲出性中耳炎型(48.7%)がほぼ同程度であった。年齢
や男女比などは大きな差はみられなかった(表2)。
表3に各鼓膜所見型の検査結果陽性率を示す。すべての鼓膜所見型でMPO-ANCAの陽
性率がPR3-ANCAよりも高かった。表4に各鼓膜所見型の他臓器病変および合併症の頻
度を示す。いずれも経過中に他臓器病変や合併症が出現していた。表5に各鼓膜所見型の
聴力および治療経過を示す。突発性難聴の判定基準に準じて,改善(気導閾値が5分法で
20dB以内もしくは対側正常の場合それと同程度まで改善)と著明回復(気導閾値が5分法
で30dB以上の改善)を合わせた症例は,肉芽性中耳炎型と滲出性中耳炎型では35%前後
であったのに対し,鼓膜正常型では10%であった。
表2 各鼓膜所見型の割合
肉芽性中耳炎型
滲出性中耳炎型
鼓膜正常型
症例数
118(44%)
131(49%)
20(7%)
年齢
26-83
13-89
32-82
中央値
67
68
70
性別(男:女)
1:2.1
1:3.5
1:4
表3 各鼓膜所見型の検査結果陽性率
肉芽性中耳炎型
n=113
滲出性中耳炎型
n=131
鼓膜正常型
n=19
MPO-ANCA陽性
61 (54%)
83 (63%)
10 (53%)
PR3-ANCA陽性
26 (23%)
25 (19%)
5 (26%)
両ANCA陽性
3 (3%)
7 (5%)
0
両ANCA陰性
23 (20%)
16 (12%)
4 (21%)
n=80
n=79
n=6
病理組織検査
※
15 (19%)
32 (41%)
3 (50%)
※他臓器からの検体を含む