4

  第Ⅰ章 耳

内胚葉性上皮からできる中耳腔

と,

中胚葉からできる耳小骨

などからなります(図Ⅰ-2d,3e)。ツ

チ骨とキヌタ骨は第1鰓弓軟骨である

Meckel軟骨

から,アブミ骨は第2鰓弓軟骨である

Reichert

軟骨

からなると考えられています(図Ⅰ-2)。内耳の原基は,外胚葉の一部が肥厚(耳板),陥入(耳

窩),埋没(耳胞,胎生4週)し形成されます(図Ⅰ-3)。さらに,内耳原基は変形して

膜迷路

が形成

され,これを取り囲む間葉性組織が

骨迷路

となっていきます。

胎生6カ月には成人とほぼ同じ

大き

さになります。

 3 

外 耳 external ear

(図Ⅰ-1)

外耳は耳介と外耳道から構成され,音を中耳へ伝える管です。

耳胞

第1鰓溝

第2鰓溝

第3鰓溝

第1鰓溝

④第4鰓弓
③第3鰓弓

②第2鰓弓(舌骨弓)
①第1鰓弓(顎骨弓)

上肢

下肢

眼胞

心囊隆起

a

b

ⅦⅨ

Meckel軟骨

Reichert軟骨

3

3

2

2

1

1

6

6

5

5

4

4

c

d

図Ⅰ-2 耳胞と鰓弓の発生

a:胎生4,5週,b:各鰓弓(咽頭弓)は,それぞれⅤ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ脳神経の支配を受ける。c:耳介の発生,d. 各鰓
弓からの発生を示す。①〜④は,各鰓弓を意味する

a

b

c

d

e

耳板

咽頭

体表外胚葉

内胚葉

内耳神経節

耳窩

耳胞

内リンパ囊

半規管

卵形囊・球形囊

蝸牛

耳小骨

原始鼓室

耳管

外耳道

第1

咽頭溝

間葉

密集

耳管鼓室陥凹

図Ⅰ-3 内耳,中耳の発生

d:内耳,e:外耳,中耳