A

解 剖

 1 

概 略

(図Ⅰ-1)

耳は

外耳,中耳,内耳

に分類され,

聴器,平衡器と顔面神経

が含まれます(図Ⅰ-1)。また耳の

機能には大きく分けて2つあり,音(声)を知覚し伝達すること(

聴覚

)と,もう一つは身体平衡を

維持すること(

平衡覚

)です。その機能の詳細は「B.生理」

(p.12)で述べますが,解剖はその機能と

密接に関係しますので一緒に理解する必要があります。

 2 

発 生

(図Ⅰ-2,3)

耳領域は,鰓(咽頭)弓や鰓(咽頭)溝,耳胞などから発生します(図Ⅰ-2,3)。内耳原器は胎生2

週,外耳原器は胎生4週にはできています。外耳は外胚葉性上皮からなり,

第1・2鰓弓が融合し

てできる耳介

第1鰓溝が陥入してできる外耳道

からなります(図Ⅰ-2)。中耳は,

第1咽頭由来の

耳小骨

アブミ骨

顔面神経

三半規管

前庭

前庭神経

顔面神経

蝸牛神経

内耳道

蝸牛

上咽頭

耳管

内耳

中耳

外耳

外耳道

耳介

骨部

軟骨部

顔面神経

鼓膜

鼓室

キヌタ骨

ツチ骨

図Ⅰ-1 耳概略図

Ⅰ章