A 解 剖
11
Ⅰ
章
耳
出て
膝神経節
geniculate ganglionを作った後,後方に屈曲します。ついでアブミ骨の上部を走行
(
水平部
)し,外側半規管のすぐ下で下方へ方向を変え,乳突部内を下行(
垂直部
)して
茎乳突孔か
ら顔面に出ます
。顔面神経が走行する側頭骨内の骨管を
顔面神経管
Fallopian canalといいます。
また顔面神経からは,膝神経節の部で
大錐体神経
,垂直部で
アブミ骨筋神経
と
鼓索神経
がいずれ
も前方へ分枝しています。大錐体神経は副交感神経を
涙腺など
に,アブミ骨筋神経はアブミ骨筋
に,鼓索神経は
味覚
の神経を
舌前方2
/
3
へ,分枝しています。顔面へ出た神経は,
5枝(側頭枝,
頬骨枝,頬筋枝,下顎縁枝,頸枝)に分かれて
顔面表情筋へ分枝しています(p.85参照)
顔面神経核
内耳道孔
大錐体神経(涙腺などへ)
膝神経筋
アブミ骨筋神経(アブミ骨へ)
鼓索神経(舌,顎下線へ)
外側半規管
表情筋へ
茎乳突孔
側頭
骨
図Ⅰ-13 顔面神経の走行と分布