58
3 回旋偏位の検査
•
滑車神経麻痺とocular tilt reactionの診断に必須の検査である.
a)Maddox杆(図8)
•
一眼の眼前にMaddox杆を縦方向に置き,水平方向に見える赤い線条の傾き
を尋ねるほうが答えが得やすい.
外方回旋(12時を中心に眼球が耳側へ回転:右眼では反時計回り,左眼では時
計回り):赤い線条が右眼では左下がりに,左眼では右下がりに見える
内方回旋(12時を中心に眼球が鼻側へ回転:右眼では時計回り,左眼では反時
計回り):赤い線条が右眼では右下がりに,左眼では左下がりに見える
b)眼底写真(図9)
•
正常:黄斑は視神経乳頭の中央と下縁の高さの間に位置する.
•
外方回旋:黄斑が視神経乳頭の下縁の高さより下方に偏位する.
•
内方回旋:黄斑が視神経乳頭の中央の高さより上方に偏位する.
4 麻痺眼の同定
•
麻痺眼では,距離感がつかめない定位の誤認がある.
•
片眼を遮閉して,小脳症状を調べる指鼻試験と同様に,検者の指先を被検者
の人差し指で触れさせる.正確に触れることができるのが健眼,正確に触れ
ることができないほうが麻痺眼である.
図7
眼位検査(交代遮閉試験)
ペンライトの光などの視標を固視させ,左右交互に
遮閉を繰り返し,正中へ戻る動きを観察する.内方
から戻れば内斜視,外方から戻れば外斜視,上方
から戻れば上斜視,下方から戻れば下斜視である
図8
Maddox杆
Maddox杆を被検者の眼前に置き,ペンライトの光
を当てた時に直角方向に見える線条の傾きを尋ね
る.Maddox杆を縦にして,水平方向の線条の傾き
を問うほうが答えを得られやすい