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choriocapillaris(L)
,
Bruch membrane
である(
図1-11
,
図1-13
)。脈絡
膜毛細血管板は1層の板状の毛細血管層で,血管
壁にはがみられる。脈絡膜から網膜へはこ
こを通じて栄養が送達される。血管に富み,栄養
や酸素を多量に必要な網膜へ供給する。また,黄
斑部など光が集中する部位の冷却作用もある。
d
.網膜
retina
網膜は眼球壁の内側にある。光を知覚するため
に最も重要な働きを行う。カメラのフィルムにあ
たる。後極部が最も厚く,周辺部は薄い。10層
からなる。
光はまず視細胞によって認識される。視細胞は,
視力や色覚を認識する
cone
と,明るさを認
識する
rod
に分けられる。錐体は後極部に多
く存在し,周辺は少ない。杆体は中心窩にはほと
んどなく中間部に最も多く,周辺部では少なくな
る。視細胞で得た情報は,,
などで制御されて,神経節細胞に伝
達され,神経線維を経て視神経に至る。
はその間を埋めるグリア細胞である(
図1-11
)。
e
. 水晶体
crystalline lens
・毛様(体)小帯
ciliary
zonules(チン小帯zonule of Zinn)
水晶体は虹彩の後ろにある凸レンズ状の透明な
組織で,光を屈折して像を網膜上に投影させる。
毛様体から出た
(チン小帯)が水晶体
を保持している。毛様(体)小帯は無色透明な小帯
図
1
-
11
網膜の顕微鏡写真と網膜を構成する細胞
網膜は,PR:視細胞photoreceptor cell,H:水平細胞horizontal cell,B:双極細胞bipolar cell,A:アマクリン細胞
amacrine cell,G:神経節細胞ganglion cell,M:ミュラー細胞Müller cellなどから構成されている。
図
1
-
12
水晶体の構造
水晶体は皮質と核からなり,前囊と後囊に囲まれている。
前囊に接して単層の水晶体上皮があり,赤道部で細胞分裂
している。
G
G
M
B
B
A
H
PR
内境界膜
神経線維層
神経節細胞層
内網状層
内顆粒層
外網状層
外顆粒層
外境界膜
杆体錐体層
ブルッフ膜
脈絡膜毛細血管
・血管層
細胞膜色素上皮(層)
毛様(体)小帯
水晶体線維
水晶体上皮
前囊
皮質
核
後囊