オロキノロン系抗菌薬などが含まれるが,葉酸合成阻害薬に分類される点眼
薬は販売されていない。

細胞壁合成阻害薬

 細胞壁合成阻害薬には,β-ラクタム系抗菌薬,ホスホマイシン,サイク
ロセリン,グリコペプチド系抗菌薬などが含まれる。β-ラクタム系抗菌薬
は,さらにペナム系,ペネム系,カルバペネム系,セフェム系,オキサセ
フェム系,モノバクタム系抗菌薬などに分類される。
 β-ラクタム系抗菌薬は細菌の外膜に存在するポーリンを通過し,細胞壁
合成酵素であるペニシリン結合蛋白(PBP)に結合して,細胞壁の合成を阻
害する(

図2

)。グリコペプチド系抗菌薬は,細胞壁に存在するペプチドグ

リカン末端のD-アラニル-D-アラニンに直接結合することにより,細胞壁
の合成を阻害する。

33

A.抗菌点眼薬を理解するための基礎知識

32

第2章 感染症治療薬

DNA合成

RNA

リボソーム

核酸合成阻害
•フルオロキノロン系
•リファンピシン

葉酸合成阻害
•ST合剤

蛋白質合成阻害
•アミノグリコシド系 •マクロライド系    •テトラサイクリン系
•リンコサミド系   •ストレプトグラミン系 •オキサゾリジノン系
•クロラムフェニコール系

細胞壁合成阻害
•β-ラクタム系 •グリコペプチド系
•ホスホマイシン

抗菌薬の作用部位

抗菌薬は,その作用機序により①細胞壁合成阻害薬,②蛋白質合成阻害薬,③核酸合成
阻害薬,④葉酸合成阻害薬などに分類される。

図1