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Answer/A60\共 通麻痺性イレウス癒着性イレウス手術を受けた場合、程度の差はありますが多くの人に腸閉塞(イレウス)が起こり得ます。できるだけイレウスにならないような食事や運動を心がけることをお勧めします。また、イレウス症状を理解し、早期に対処することが肝要です。解 説 腸は蠕ぜん動どう運動と呼ばれる動きによって腸内の内容物を運んでいます。手術を受けると、この運動が一時的に低下・消失(麻痺)することがあり、これを麻痺性イレウスといいます。ごく軽いものを含めると、ほとんどの人に麻痺性イレウスが起こるとされており、主な症状はお腹の張り(腹部膨ぼう満まん)や吐き気、嘔吐、腹痛、尿量の減少などです。 麻痺性イレウスは、術後数日たってから起こることが多いです。麻痺性イレウスと判断された場合には、絶食、点滴、腸管蠕動促進剤の投与などの保存的治療が行われます。術後麻痺性イレウスの予防には、歩行などのリハビリを早期に開始することが大切です。 手術時の操作によって腹膜や腸の表面に細かい傷ができています。この傷が治る過程で周囲との癒着を起こします。癒着が起こるだけで症状が現れなければ問題は手術によって起こる腸閉塞(イレウス) 腸閉塞とは、腸(小腸、大腸)が何らかの原因によって塞ふさがってしまい、食物や消化液などが腸を通過できずに(通過障害)、腹痛、吐き気、嘔おう吐となどの症状をきたす病態で、イレウスとも呼ばれています。原因で最も多いとされているのが手術による後遺症としてのイレウスで、その多くは小腸に起こります。 イレウスは、麻ま痺ひ性イレウス、痙けい攣れん性イレウス、単純性イレウス(閉塞性イレウス、癒ゆ着ちゃく性イレウス)、絞こう扼やく性イレウスに分類されます。このうち手術後によくみられるものは、麻痺性、癒着性、絞扼性のイレウスです。以下、この3つについてみていきましょう。手術の後に腸閉へい塞そくあると言われました。予防法や対処法を教えてください。(イレウス)になることが 213

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