年1999200020012002200320042005200620072008*診断年別患者数,1999年の患者数は4〜12月(感染症発生動向調査:2009年2月14日現在)**2008年の死亡数は1〜9月概数■推奨■推奨の強さと根拠 2D(弱い推奨,とても弱い根拠))%(率有保素毒抗Ⅰ5------45-9------本邦でのDPT全国接種は1968年から開始されているため,2008年度感染症流行予測調査速報では年齢別破傷風抗毒素保有状況において,40歳以上での保有率が極めて低い。したがって,40歳以上の動物咬傷患者では,破傷風予防について特に注意を払う必要がある。患者数*なお,2017年に日本環境感染学会から出された『医療関係者のためのワクチンガイドライン第2版』の追補版では,医療関係者に対する破傷風トキソイドの予防接種を推奨すると述べられている7)。101012 9 7 9 7 5 7 7死亡数**5章 動物咬傷動物咬傷後,予防接種歴あるいは創の汚染状態などに応じて破傷風予防接種を実施することは有効である。 根拠・解説 動物咬傷後の破傷風予防接種の有効性についてのエビデンスはないが,動物咬傷後に破傷風が発症するか否かを予測することは極めて困難であるため,破傷風の重症度を考慮し,積極的な予防措置を推奨する報告1-4)が多い。一方,破傷風トキソイドワクチンおよび抗破傷風ヒト免疫グロブリンには明確な投与基準はなく,「全例に投与」5)あるいは,「Centers for Disease Control(CDC)が推奨する投与基準」1),「Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP)が推奨する投与基準」2-4, 6)などに沿って投与されているのが現状である。現在,米国では,American College of Surgeons(ACS)による創分類に,ワクチン接種歴を組み合わせた投与基準が推奨されている。 66 91 80106 73101115117 89124 今後の課題 重篤な疾患であるにもかかわらず,予防接種の実施基準が曖昧でありその判断が現場に委ねられているのが現状である。今後は,具体的な項目による実施判定基準が策定されることが重要と考えられる。1009080706050403020100出典:厚生労働省大臣官房統計情報部「人口動態統計」 出典:国立感染症研究所IU/ml≧0.01≧0.1≧1≧10(1,078例)40444549505455592529303435396001101415192024採血時の年齢(歳)(2008年度感染症流行予測調査速報:2009年2月19日現在報告数)57CQ42破傷風予防接種は有効か?
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