5

章 先天性耳瘻孔

CQ

15

無症候性(非感染性)耳瘻孔手術適応?

推奨

()

根拠・解説 

 先天性耳瘻孔の有病率はわが国では2~3%である

3)

。長期的に無症候の耳瘻孔の予後を

調査した文献は非常に少ない。いったん感染を生じた耳瘻孔の根治手術は感染の再発率が有意に高い

4, 5)

※本章のCQ15~18については,「まとめ」「今後の課題」「参考文献」を章末に配した。

CQ

16

耳瘻孔至適手術時期?

推奨

()

()

根拠・解説 

 幼少時の根治手術には全身麻酔を要すことはいうまでもない

15)

。局所麻酔下の摘出に

再発率が高かったとの報告もあり

8)

,症例によっては瘻孔の存在部位により,完全摘出がやや困難な

こともありうる。感染例では,感染消退後1カ月以上の待機を推奨しているものが多い

13, 14)

CQ

17

非感染性耳瘻孔推奨術式?

推奨

()

根拠・解説 

 耳瘻孔の摘出術式には種々の工夫がなされ,有効であると報告されている

1, 2, 6-11)

。アプ

ローチ経路の工夫(supra-auricular approarch),染色法,ブジー法,軟骨合併切除に有意に再発率