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(Good Practice Statement)薬物療法はどのような患者に行うのが適切か?薬物療法は,切除やアブレーションなどの局所治療が適応とならない,または TACE 不適の進行肝細胞癌で,PS 良好かつ肝予備能が良好な Child—Pugh 分類 A 症例に行うことを推奨する。284第 7 章 薬物療法推 奨 ■ 背 景 肝細胞癌は早期に発見されても再発を繰り返し,最終的には外科切除や肝移植,アブレーション,肝動脈化学塞栓療法(TACE)の適応とならない進行肝細胞癌に進展することが多い。また近年増加している非ウイルス性肝細胞癌は高危険群の囲い込みが十分とは言えず,進行肝細胞癌として発見されることも少なくない。このような場合に全身薬物療法が行われるが,使用にあたっては癌の進行度のみならず肝機能や全身状態(performance status;PS)を考慮する必要がある。 ■ 解 説 「薬物療法は,どのような患者に行うのが適切か?」という CQ は,前版で新たに設定された。今回の第 6 版ではこれを踏襲し good practice statement(GPS)とした。肝細胞癌に対する薬物療法は,切除やアブレーションなどの根治療法後の再発抑制を目的とした補助療法,TACE 後の増悪抑制を目的とした併用療法,または切除やアブレーションなどの局所治療が適応とならない,あるいは TACE 不適な進行例に対する腫瘍制御を目的として投与する場合がある。前 2 者についてはその有用性についてさまざまな臨床研究の結果が報告されつつあるが,まだ確立しておらず,保険収載となっていない。現在使用可能な薬剤は,後者の局所治療が適応とならない,あるいは TACE 不適な進行例に対して延命効果が確認されていて,保険収載となっている。一次療法としてニボルマブ+イピリムマブ1),デュルバルマブ+トレメリムマブ2),アテゾリズマブ+ベバシズマブ3)の複合免疫療法と,デュルバルマブ2)の単独治療,レンバチニブ4),ソラフェニブ5,6)が,二次薬物療法としてラムシルマブ7),レゴラフェニブ8),二次あるいは三次薬物療法としてカボザンチニブ9)が使用可能である。本 CQ に対する推奨として,これら治験への組み入れ条件として共通している以下の 3 条件とした。1)切除やアブレーションなどの局所治療に適さない,または TACE 不適の肝細胞癌であること,2)ECOG performance status が 0 か 1 であること,3)肝予備能が Child—Pugh 分類A であることである。ただし高度の脈管侵襲を有する症例や,腫瘍占拠率が 50%を超える症例などが除外されている試験もあり,これらに対する有効性については,今後エビデンスレCQ7-1

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