68 膵癌診療ガイドラインでは 2022 年版(第 6 版)から,患者・市民グループがその作成の過程に関与し,患者市民からの課題・疑問の収集と推奨文案の作成,医療者グループの推奨文案に関する積極的な意見交換,患者市民向けガイドの作成などを行った1)。 2025 年版の作成に向け,2023 年 10 月に医療者委員 7 名,非医療者委員 4 名で構成される新たな患者・市民グループが設立された。次いで作成委員会事務局と協議の結果,Minds 診療ガイドライン作成マニュアル 2020 2)を参考に,患者・市民グループは医療者グループからCQ の素案および推奨文案が発出されたタイミングで意見を述べ,医療者グループはその意見に十分配慮することを申し合わせた。 また患者・市民グループが,独自に重要臨床的課題の検討およびシステマティックレビューを行い CQ の作成を目指すことが決定された。さらに,患者市民向けガイドの企画,および作成は非医療者委員の全面的な理解のもと,ボランティアで行うことなどが決定された。 医療者側の 8 グループ(診断,外科的治療法,補助療法,薬物療法,放射線療法,ステント療法,支持・緩和療法,プレシジョン・メディスン)の活動に対して,効率的に意見を反映する小グループを医療者委員と非医療者委員を組み合わせて設定した。まず医療者側から提出された各 CQ 案に対して,患者・市民グループで集約した意見を医療者側に提出し,一部はその内容に沿って修正がなされた。次に,医療者側が作成した推奨文案,解説文案に対しても同様の活動を行い,一部はその内容に沿って修正がなされ,患者・市民グループの意向に十分な配慮がなされている。 2022 年版では,患者・市民グループ独自で取り上げた重要臨床課題に対して 4,000 編以上の文献から 141 編が抽出されシステマティックレビューを行った結果,32 の CQ 案が作成さ1 患者・市民グループの活動方針2 患者・市民グループの具体的な活動 1 医療者グループに対する意見の反映 2 重要臨床課題の検討8 患者・市民の立場から
元のページ ../index.html#3