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分子標的薬第1章1.EGFR阻害薬  1.ざ瘡様皮疹 若年男性の場合,高齢者や女性に比べるとざ瘡様皮疹は悪化しやすい。このため治療には,より強い副腎皮質ステロイド外用薬と抗菌薬内服を必要とする場合がある。 ランクアップした副腎皮質ステロイド外用薬は,症状が改善したらランクダウンし,不要と判断したら中止して,副腎皮質ステロイドによる副作用を予防する。抗菌薬の全身投与も6~8週を目安に終了する。 ざ瘡様皮疹が顔面など露出部で増悪した場合には,前胸部を始めとする体幹部にも皮疹が現れ,拡大していることがある。医療者から患者に質問し,皮膚症状の分布を評価することが望ましい。図2 経過,8病日,Grade 2紅色丘疹が多発・集簇し,浸潤を伴う。膿疱が混在し,そう痒を伴う。副腎皮質ステロイド外用薬だけでは無効と判断し,ミノサイクリン内服を追加,アンテベート®軟膏へランクアップした。図3 経過,36病日治療効果が現れ膿疱は消失,丘疹の浸潤は軽減した。色素沈着主体になり,そう痒は消失した。(平川聡史)7ここがポイント

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