20492T
7/15

16■第1章 分子標的薬診断名:ざ瘡様皮疹重症度評価:Grade 1および 2,中等症原因薬剤:セツキシマブ支持療法: Very strong classの副腎皮質ステロイド(アンテベート®軟膏な〔概要〕30代男性。鼻腔腺様囊胞がん再発,多発肝転移。一次治療FP(フルオロウラシル,シスプラチン)+ペムブロリズマブ療法を実施した。多発肺転移を指摘され病態進行と評価し,二次治療weeklyパクリタキセル+セツキシマブ(パクリタキセル80 mg/m2,セツキシマブ 初回400 mg/m2, 2回目以降250 mg/m2)を開始した。予防的に保湿薬を外用していたが,2サイクル目から前額部に丘疹が現れたため,ざ瘡様皮疹Grade 1と診断した(1病日,図1)。図1 セツキシマブによるざ瘡様皮疹,Grade 1前額部に紅褐色の丘疹が散在する。浸潤は軽度にとどまり,そう痒を伴わない。リドメックス®軟膏外用を開始した。〔経過〕Medium classの副腎皮質ステロイド(リドメックス®軟膏)を外用したが,8病日に皮膚症状は増悪し,そう痒を伴った(図2)。このため,ざ瘡様皮疹Grade 2と診断し,副腎皮質ステロイド外用薬をvery strong classの副腎皮質ステロイド(アンテベート®軟膏)にランクアップ,ミノサイクリン100 mg/日内服を開始した。15病日,丘疹は軽減したため,リドメックス®軟膏へランクダウンし,ミノサイクリンを継続した。36病日,色素沈着主体になり,そう痒も消失した(図3)。パクリタキセルによる末梢神経障害Grade 3を生じたため,パクリタキセルを一段階減量したが,セツキシマブを減量することなく継続している。ど)外用,ミノサイクリン100 mg/日内服症例

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る