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­­第2章 病理標本の取扱いと記載法 1 .切除標本の大きさ縦,横,高さの3次元で表し,最後の数字を高さ(厚さ)とする。注:標本を写真撮影している場合は,計測を省略できる。 2 .切除標本に対する割の入れ方乳房部分切除術の検体では,乳頭と腫瘍を結ぶ線に直角に約5mm間隔で割を入れ,すべての病理組織ブロックを作製し,断端検索を行う(図1)。乳房全切除術の検体では,乳頭と腫瘍を結ぶ線と平行に複数の割を入れ,割面の肉眼所見や標本撮影の結果を参考に検索部位を選択し,ブロックを作製する(図2)。乳頭方向に乳管内進展が疑われる症例に対して,乳頭温存乳房全切除術を行った場合は,乳頭直下断端を検索することが望ましい。検索方法には,乳頭直下組織を術中迅速診断に提出する方法と固定後標本から採取する方法(図3)がある。癌の広がり,病変の数,断端と癌との関係などを考慮して,上記とは異なる切り出し方法を選択することも容認される。なお,ホルマリン固定前に検体に乳頭直下断端面乳頭直下図3 乳頭温存乳房全切除術検体乳頭直下組織を術中迅速診断に提出していない場合は,乳頭直下組織を薄く切離し,断端検体として検索することが望ましい。末梢側乳頭側図1 乳房部分切除術検体乳頭側を糸などでマーキングする。腋窩側図2 乳房全切除術検体­­第2病理標本の取のいと記と法273

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