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2626とが多く、個人事業主など「それ以外」の人は、各自が負担することになります。この場合の検査費用は施設によって異なりますが、5,000〜15,000円前後に設定しているところが多いようです。40歳以上になると「特定健診」と呼ばれる生活習慣病に関する無料の健診を、お住まいの地域の医療施設で受けられる制度もあります。この検査は人間ドックに比べると検査項目が限られますが、数百円程度の自己負担で胸部エックス線や腫瘍マーカー検査を追加することも可能です。この点、人間ドックの費用は3〜6万円程度、がん検診も加えると10万円以上となることが一般的ですが、これも病院の規模や地域によって差があるので、事前に施設のホームページなどで確認するとよいでしょう。膵がん患者さんが医療機関を受診するきっかけの割合をみると、「健康診断で異常がみつかったため」が15.9%を占め、これを「早期の膵がん」に限定してみると、「検診で異常がみつかったから」が17%となっています。このことからも、健診、検診、人間ドックなどで膵臓を調べることには意義がある、といえるでしょう。そしてこれらの機関で、膵がんを疑う異常所見や検査結果を拾い上げる仕組みを構築していくことが社会的にも求められています。また、膵がんを早期でみつけるには、超音波内視鏡(EUS)が有用であるという報告もあり、膵がんの早期発見に特化した検診センターの整備や、腹部超音波、CT、MRI(MRCP)、EUSなど、より精密な検査コースを組んでいくこと、膵がんのリスクとなる因子〔危険因子(リスクファクター)〕(8ページ参照→Q1-1)を丁寧に拾い上げて、丹念に経過を追っていくことが求められます。こうした取り組みは、すでに一部の地域で始まっていて、今後の全国的な普及拡大が望まれます(46ページ参照→コラム1)。膵がんの危険因子とは、家族歴や既往歴、喫煙などの嗜好、糖尿病や慢健診・検診・人間ドックで膵がんが疑われる異常がみつかったら、早期に膵がんを発見するために、できるだけ早く各地域の中核病院(専門的で高度な医療機能を持っている地域の拠点病院)を受診し、詳しい検査をすることが重要です(28ペーアイピーエムエヌまんせいすいえん性膵炎、PMN)など。これら危険因子がある場合には、膵のう胞や膵管内乳頭粘液性腫瘍(I拾い上げも含めて積極的に腹部超音波やCT、MRI(MRCP)、EUSなどの画像検査を受けることが勧められます。膵がんを早期にみつけるための取り組み

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