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108108膵がんの化学療法で多くを占める薬剤です。がん細胞の「細胞増殖をつかさどる核の部分」などに作用して、細胞分裂を阻止する働きを持っています。細胞分裂ができなくなったがん細胞は生きていけなくなるので「細胞死」に追い込まれ、がんの進行が抑えられます。がん細胞が成長するために必要なタンパク質を、分子レベルで狙い撃ちする薬です。膵がんにはチロシンキナーゼという「上他にも、遺伝子のタイプが「生殖細胞(233ページ用語集参照)系列Bその患者さんの膵がんのタイプがどれに当てはまるのか、最適の薬が存在するのかについては、「遺伝子検査」で調べることができます。膵がんの場合、遺伝子検査で効果的な薬剤がみつかる頻度は決して高くありませんが、もし遺伝子のタイプに合致する薬がみつかると、高い治療成果が見込まれることがあるのも事実です。本来ならがん細胞を攻撃する役割を持っている「ヒト免疫細胞(ここではT細胞)」の働きを抑えているタンパク質の結合を阻止する薬です。抑えられていたT細胞の働きを正常な状態に戻す(活性化させる)ことで、T細胞にがんを攻撃させる働きがあります。その薬の一つ「ペムブロリズマブ」は、高頻度マイクロサテライト不安定性ロスワンティーアールケーOS1融合タンパク、Tじょうひエヌティーアールケー皮成長因子受容体(EGFR)」だけを狙って攻撃する「エルロチニブ塩酸塩(以下エルロチニブ)」という分子標的薬が使えることになっていますが、治療効果に対して副作用が大き過ぎるという問題があるため、近年はあまり用いられなくなりました。ビーアールシーエーパープRCA遺伝子変異陽性」という型の膵がんで、事前にプラチナ(白金)系抗がん剤の治療効果がみられた人の維持療法(231ページ用語集参照)には、PARP阻害薬(オラパTRK融合遺伝子陽性」というタイプのリブ)を使うことができます。さらに「NRK融合タンパクを標的とする薬剤(エヌ膵がんには、Rトレクチニブ、ラロトレクチニブ)が使えるなど、膵がんの遺伝子のタイプごとに効果の見込める薬を選んで使えるようになってきました。(1)細胞障害性抗がん剤(2)分子標的薬(3)免疫チェックポイント阻害薬(234ページ用語集参照)

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