8787療(手術、薬物療法、放射線療法など)ではなく、がんの進行などに伴う体や心のつらさに対する専門的な緩和ケアが行われる病棟です。ここは一般病棟と異なり、できる限り「日常生活に近い暮らし」が送れるように作られていて、共用のキッチンなどが設けられている施設もあります。また、茶話会や季節のイベントなどが催されることが多く、家族などの親しい人と一緒に楽しむこともできます。入院での緩和ケアにより体や心のつらさが和らいだら、退院して自宅に帰ることもできます。◉緩和ケア病棟での緩和ケアを希望するときは、早めに探しましょう緩和ケア病棟は、病院内にあるタイプと、緩和ケアのみを行う独立型の施設(ホスピスや緩和ケア病院)があります。地域によって、緩和ケア病棟のある病院の数は異なり、入院するために待機している人がいることもあるので、早めに担当の医師に相談しましょう。がん診療連携拠点病院などのがん相談支援センターでも、緩和ケア病棟の情報を得ることができます。安心してリラックスできる住み慣れた自宅では、ご本人の生活のペースに合わせて、病院と同じような緩和ケアを受けることができます。在宅療養を受けるには、訪問診療や訪問看護、訪問介護、訪問入浴などの在宅でのサービスを整える必要があります。がんの治療で通院または入院している場合は、担当の医師が訪問診療に向けた紹介状を書いて、病院の職員が訪問診療医や訪問看護ステーションと連絡を取り合って調整してくれます。一人暮らしの人も、これらのサービスを整えることで、それまでに近い生活を送ることができます。住み慣れた自宅で、安心して緩和ケアを受けるために、訪問診療医や訪問看護師と、療養の目的や希望する生活について十分に話し合っておくことをお勧めします。緊急時の対応方法や受け入れ先についても、あらかじめ確認しておきましょう。なお、介護施設などに入所している場合でも、訪問診療による緩和ケアを受けられる場合があります。(3)自宅で受ける緩和ケア
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