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1)肝腫瘍liver tumor2)脾腫を伴う骨髄増殖性疾患myeloproliferative disease3)門脈—静脈短絡P—V shunt 閉塞肝静脈圧(wedged hepatic venous pressure:WHVP)の上昇は,後類洞性である肝硬変での病勢や治療効果の指標ともなり得るが,肝前性および肝内前類洞性では正常ないし軽度上昇に留まる。 以下,肝硬変,特発性門脈圧亢進症,先天性肝線維症,肝外門脈閉塞症,バッド・キアリ症候群,類洞閉塞症候群について,それぞれ疾患の概要を解説する。 2) 病理組織学的に肝の線維化が増強し,正常の小葉構造が消失して偽小葉結節形成をきたす。肝機能障害は,軽度から高度なものまでさまざまである。 2) 門脈圧亢進とともに著明な脾腫・脾機能亢進症を示す。また,以下の諸症状・所見を呈することが特徴的である。   (1) 病理組織学的所見としては,肝内に門脈末梢枝の狭小化や硬化が認められる。脾では,脾洞(静脈洞)増生,細網線維・膠原線維の増加が認められる2,3)。   (2) 脾循環の著明な亢進(脾動脈・静脈血流の増加)を示す。   (3) 閉塞肝静脈圧(wedged hepatic venous pressure:WHVP)および肝静脈圧較差(hepatic venous pressure gradient:HVPG)は,正常ないし軽度上昇に留まる。   (4) 肝機能は,正常ないし軽度の障害に留まる。   (5) 肝内結節(結節性再生性過形成や限局性結節性過形成など)を認めることがある4)。   (6) 二次的に肝内,肝外門脈に血栓を認めることがある5)。   (7) エラストグラフィにて,肝弾性係数は軽度上昇に留まり,脾弾性係数は著しい上昇を1 門脈圧亢進症の病因  7f.その他Ⅱ1.肝硬変 liver cirrhosis(LC) 1) 肝炎ウイルス,アルコール,自己免疫性肝炎,胆汁性胆管炎,非アルコール性脂肪肝炎,ウィルソン病などの代謝性疾患,薬物性肝障害,先天性胆道閉鎖症,その他が原因となって発症する。本邦では肝炎ウイルスによるものが多い。2.特発性門脈圧亢進症 idiopathic portal hypertension(IPH) 1) 肝硬変,肝外門脈閉塞,肝静脈閉塞,下大静脈閉塞,うっ血肝,およびその他の原因となるべき疾患を認めずに門脈圧亢進症を呈するもので,IPH患者は通常肝硬変に進展することはない。肝細胞癌合併例の報告はあるが稀である。原因はいまだ解明されていないが,免疫学的関与が報告されている1)。

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