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ケア・プランニングを行う。【参考文献】 1)NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology(NCCN Guidelines®)Breast Cancer:Version 8.2021 https://www.nccn.org/guidelines/category_1 (2021年9月13日アクセス)ル,有害事象の対処法,緩和医療など話し合う内容は多岐にわたる。わかりやすい言葉を用い,理解度に配慮しつつ丁寧に説明し,患者の意思決定支援を行う。e.医療・ケア選択後の経過 医療・ケアを選択し開始した後は,その経過を評価する。薬物療法や放射線治療ではResponse Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)に基づいて抗腫瘍効果の評価を試みるが,実地臨床においてはその適用が困難なこともある。また,がん薬物療法の有害反応はときに重篤であり,特に進行症例では注意を要する。有害事象の評価方法として有害事象共通用語規準Common Terminol-ogy Criteria for Adverse Events(CTCAE)があるが,悪心や倦怠感のような主観的有害事象は医療者が過小評価する傾向があると報告されている。治療を継続しても利益が得られない,もしくは許容できない有害事象が認められた場合にはその治療を中止する。日常診療では治療中止基準は必ずしも明確ではなく,画像評価,血液データ,臨床症状,臓器障害,PS低下,そして患者の意向などを総合的に評価し判断する。方針・ケアの変更を要する場合にSDMは繰り返され,そうした過程で医療者と患者・ケアギバーの信頼関係が深まり,以降の医療やアドバンス・ケア・プランニング(advance care planning;ACP)が円滑となり得る。f.アドバンス・ケア・プランニング 緩和ケア・医療の導入は終末期にのみ開始されるものではなく,その早期導入は転移性腫瘍において年齢や状態を問わず,QOLの維持や生存期間の延長などの効果が期待されている。腫瘍治療チーム,心理支援チーム,緩和医療チーム,かかりつけ医やソーシャルワーカーなど社会支援環境との適切な連携が求められる。また,終末期に至る前から,終末期を想定して介護保険制度,在宅医療や療養型施設の活用,緩和ケア病棟の希望確認など,患者およびケアギバーの意向を継続的に確認しつつ,その後の生活のあり方について患者・ケアギバー・医療者で協同してアドバンス・2.乳癌の治療体系/B.進行・再発乳癌治療のプランニング 213 2) Cardoso F, Paluch‒Shimon S, Senkus E, et al. 5th ESO‒ESMO international consensus guidelines for advanced breast cancer(ABC 5). Ann Oncol. 2020;31(12):1623‒49.(坂東裕子)(ACP)と緩和ケア・医療

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