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AA55Q&A大腸癌の内視鏡治療Q3‒1 早期大腸癌だから内視鏡で切り取ることができるといわれまQ3‒2 良性のポリープは癌になることはありますか? 切除した方した。お腹を切らなくてもよいのでしょうか?が良いのでしょうか?ジ0からステージⅣに分けられています。治療前にCTなどの画像診断でステージ(臨床分類ステージ)を予測し,切除された大腸などの組織を顕微鏡で調べた結果をあわせて最終的なステージ(病理分類ステージ)を決定します。大腸癌の治る可能性や,逆に再発する可能性をステージから予測できるため,治療方針の決定に役立ちます。 ステージⅢは,遠隔転移がなく,癌の周囲にあるリンパ節に転移があることを示しています。この場合,手術後に抗がん剤による補助療法を行うことが奨められています(42ページ「ステージ0~ステージⅢの大腸癌の治療」参照)。 大腸癌は大腸の粘膜(6ページ図5参照)から発生し,大腸壁の深い方へと浸しん潤じゅんしていきます(13ページ図9参照)。早期大腸癌とは,癌の浸潤が粘ねん膜まく下か層そうまでにとどまっている癌で,粘ねん膜まく内ない癌がん(Tis癌)と粘膜下層癌(T1癌)に分けられます(14ページ図10参照)。Tis癌は転移しないので,内視鏡により癌が完全に取り切れれば,治療は完了です。一方,T1癌の場合は,遠くの臓器に転移する頻度は少ないものの,リンパ節に転移している可能性が10%前後あります。 癌の存在する部位,大きさ,浸潤の深さなどを総合的に評価して,癌病巣を安全かつ完全に切除することができると判断される早期大腸癌が内視鏡治療の対象となります。内視鏡で切除された癌は,顕微鏡を用いた詳細な検査(病理検査)に提出されます。この検査により癌がすべて取り切れたかどうかを調べるとともに,Tis癌かT1癌かが判定され,T1癌の場合は,リンパ節転移の危険性が評価されます。Tis癌や転移の危険性が低いT1癌と判断された場合は,内視鏡治療で治療は完了し,転移の危険性が高いT1癌と判断された場合は追加の治療としてリンパ節郭かく清せい(25ページ図21参照)を伴う腸切除が考慮されます。 良性のポリープでも放置すると癌になるものがあります。そのひとつに「腺せん腫しゅ」とよばれるポリープがあります。腺腫は大きくなるほど癌が発生するリスクが高くなるため,径6 mm以上の腺腫は内視鏡的摘除の適応と考えられています。また,「過か形けい成せい性せいポリープ」とよばれるポリープは,「腺腫」に比して癌発生のリスクが低く,切除せずに放置する場合がほとんどです。一方,「鋸きょ歯し状じょう

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