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AA59Q&A入院から退院までの経過Q6 大腸癌手術の入院から退院までの経過はどのようになります大腸癌手術の合併症についてQ7 大腸癌の手術後にはいろいろな合併症が起こり得るとの説明か?を受けました。詳しく教えてください。 手術を行う医療機関や病状により多少異なりますが,一般的な手術の流れについて説明します。 1) 入院前または入院後:手術前に必要な一般的な検査として心電図や呼吸 2) 手術前日は食事を中止し,下剤を飲んでいただき,腸の中をきれいにします。 3) 手術後の当日は,ベッド上で安静となります。 4) 手術翌日:起き上がり,可能なら歩行を行います。状態により水分摂取を開始します。 5) 手術後2~4日:腸の動きに合わせて食事を開始します。 6) 手術後3~7日:おならが出て,排便もあります。 7) 手術後7日以降:食事摂取が可能で,排便も順調であれば,体調により退院が可能となります。手術後10日~2週間で退院するのが一般的です。 手術が原因となって生じる別の病気や症状を術じゅつ後ご合がっ併ぺい症しょうといいます。薬の副作用に相当するもので,最大限の注意を払って治療を行っても一定の頻度で発生します。 大腸癌のおもな外科的合併症には,出血,縫ほう合ごう不ふ全ぜん,吻ふん合ごう部ぶ狭きょう窄さく,腸ちょう閉へい塞そく,創そう感かん染せん,腹ふく腔くう内ない膿のう瘍よう,腹ふく壁へき瘢はん痕こんヘルニアがあり(33ページ「手術治療の合併症」参照),他にリンパ漏ろう(リンパ液が漏れでておなかの中にたまること)などがあります。多くの合併症は退院までに起こることが多いですが,吻合部狭窄や腸閉塞は退院してからでも起こります。腸閉塞は手術後何年も経ってから起こることもあり,何度も繰り返す場合もあります。 一方,生命にかかわる重篤な合併症には,肺炎,肺はい塞そく栓せん症しょう,心しん筋きん梗こう塞そく,脳のう梗こう塞そくなどがあります。これらの合併症を予防するためには,手術後なるべく早くから体を動かすことが大切です。手術後なるべく早期に歩いていただくことで,腸の動きの回復が早くなり,また,腸が癒着して腸閉塞になることも予防機能検査,血液検査を行い,手術に十分耐えられるか,検討します。

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