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乳癌診療ガイドライン2022年版作成にあたって2)作業手順(1)BQ,CQ,FRQの設定:2018年版のCQを照合しつつ整理し,取り上げるCQおよびBQとFRQを決定した(作成開始時はCQとして設定したものの,最終的にFRQやBQに変更となったものもある)。的システマティック・レビューを行い,推奨決定会議の投票を経て,推奨および推奨の強さを決定し,その内容について,推奨決定会議の議論のポイント等も踏まえて解説している。FRQ(フューチャーリサーチクエスチョン):CQとして取り上げるにはまだデータが不足しているが,今後の重要な課題と考えられるCQについて,現状の考え方を説明している。また,新たなデータの創出が期待されるもの。(2)CQの作成手順:CQに関してのみ以下の手順(3)~(18)を行った。BQとFRQのステートメントについては診療ガイドライン委員会内のディスカッションにて決定しており,原則として手順(9)「エビデンスの評価」以降の作業は行っていない。(3)CQの構成要素:CQの構成要素はPICO〔P:Patients(介入を受ける対象),I:Intervention(推奨するかどうか検討する介入),C:Comparisons(Iと比較したい介入),O:Outcome(アウトカム)〕と呼ばれる形式で抽出した。(4)アウトカムの設定:各CQに対して,数個のアウトカムを設定した。このアウトカムは「益」と「害」が必ず含まれるように設定しなければならない。前述したように,アウトカムには1~9点までの重要度の点数を付けて,それぞれのアウトカムの「重み付け」をする。この「重み付け」は,「推奨とその強さ」を決定する際の判断材料になる。(5)エビデンスの収集:各委員は担当CQごとに関連するキーワードを設定し,ご協力いただいた日本医学図書館協会に送付して検索式を立て,網羅的に検索を行った。検索データベースはPubMed,医中誌Web,Cochrane Libraryを用いた。各CQの検索式の詳細は,本学会のホームページ(http://jbcs.gr.jp/)に掲載する。(6)一次スクリーニング:各委員は一次スクリーニングとして文献リストの題名・抄録・索引語から明らかにCQに合致していない文献を除外,必要に応じてキーワードの追加,検索式の変更を行い再度スクリーニングを行った。(7)二次スクリーニング:次に各委員は二次スクリーニングとして,一次スクリーニングで残した文献の本文を読み,アウトカムごとに採用文献を決定した。選択基準は原則としてランダム化比較試験とし,該当文献がない場合は観察研究も含めることとした。(8)ハンドサーチ:さらにハンドサーチで重要文献を追加して,可能な限り漏れのない検索を心掛けた。(9)エビデンスの評価(個々の論文の評価):アウトカムごとにまとめられた文献集合の個々の論文について,研究デザイン(介入研究,観察研究)ごとに,バイアスリスク(risk of bias 9要素:選択バイアス,実行バイアスなど),非直接性(indirectness:従来の「外的妥当性」,「一般化可能性」に相当)を評価した。(10)エビデンス総体(body of evidence)(=エビデンスの強さ)の評価:1つのアウトカムで選択抽出された複数の論文をまとめて,エビデンスの総体を評価する。評価の方法は,研究デザインによって分類(RCT群,観察研究群)してまとめ,改めて,①バイアスリスク(risk of bias 9要素),4

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