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7関連する診療ガイドラインの記載8今後のモニタリング9外部評価結果の反映 本ガイドライン作成にあたっては,RRSOが及ぼすOSへの影響を排除して解析することができないためにOSに関するメタアナリシスは行っていない。OSにはリスク低減手術による発症予防効果と再発した後に行われる薬物療法の効果が影響する。BRCA1とBRCA2では発症する乳癌のサブタイプの違いは顕著であり,ホルモン感受性の違いにより使用可能な薬剤が異なる。またこれらの薬剤の適応の有無により予後に大きな影響を与えることが明らかであるため,この遺伝子の違いに配慮した検討を今後必要とするという意見が重要なポイントとしてあげられた。また2020年4月よりCRRMは保険収載されたが,その実施には一定の施設基準が設けられているため,今回の実施に係る条件としてこの基準を付記した。健側乳房を予防的に切除するという特殊性から,本介入を検討する際は患者や家族の価値観を尊重し,患者と医療者間での十分な協働意思決定が必要であると考えられた。 NCCN*,ASCO*,ESMO*いずれもBRCA病的バリアントを保有しない乳癌患者に比較して乳癌発症リスクが高いことを踏まえた十分な説明をしたうえで,考慮し得る選択肢であるとして記載されている。 日本において2020年4月以降,BRCA1/2病的バリアント保有者においてCRRMが保険収載されたことにより,今後CRRMの実施数が増えることが予想される。現時点でのエビデンスには不足する情報は多く,特にCRRM後のOSに関しては,引き続きモニタリングが必要である。 外部評価では内容に関する大きな指摘はなかった。 BRCA,breast neoplasms,contralateral risk reducting mastectomy,cost,patient prefer-ence,patient satisfaction,complication10410キーワード* NCCN:National Cancer Comprehensive Network ASCO:American Society of Clinical Oncology ESMO:European Society for Medical Oncology

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