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第4 章症状 Grade 1~3Grade 4Grade1~2Grade3〔文献 4 より引用改変〕Grade1~2Grade3悪性腫瘍に伴う SVC 症候群 2 上大静脈症候群(會田有香,関根郁夫)血栓が認められれば,血栓の伸長を抑制する目的で,抗凝固療法が推奨される 9)。SVC を通る血流が阻害されると,静脈還流が遅くなり,上肢静脈に血栓が生じることがある。また,静脈還流のうっ滞により薬剤吸収が遅れる可能性があるため,上肢への皮下・筋肉・静脈注射は避けた方がよい。 ⿙文献5 . SVC 症候群におけるその他の注意点73外科的アプローチが必要な腫瘍例:胸腺腫,残存胚細胞腫瘍術前化学療法→外科的切除SVC:上大静脈,PS:performance status脳転移,気道・心臓圧排による症状でない組織生検,病期診断治療方針の決定化学・放射線療法感受性腫瘍例:小細胞肺がん,リンパ腫,胚細胞腫瘍非 SVC 症候群症例と同様の標準治療緊急ステント,血栓溶解療法中間の腫瘍例:非小細胞肺がんステント早期放射線検討1) Wilson LD, Detterbeck FC, Yahalom J. Clinical prac-tice. Superior vena cava syndrome with malignant causes. N Engl J Med. 2007 ; 356(18): 1862 – 9 .2) Azizi AH, Shafi I, Shah N, et al. Superior vena cava syndrome. JACC Cardiovasc Interv. 2020 ; 13(24): 治療手段が限定される腫瘍例:悪性胸膜中皮腫,PS 不良放射線治療緩和療法ステント留置稀にバイパス 4 その他の治療図2 治療アルゴリズムと報告されているが,閉塞の程度と症状の改善は比例しないことから,側副血行路の発達が寄与している可能性がある。化学・放射線療法感受性腫瘍に対しては,Grade 3 の症状があっても,まずは化学療法を導入する。SVC を照射体積に含む放射線療法は,短期的には局所の浮腫が症状を増悪させること 8),長期的には線維化による SVC 閉塞を引き起こす可能性があることに留意する必要がある。理学療法としては,静水圧を下げて頭頸部の浮腫を改善させるために,頭部挙上が勧められる。糖質コルチコイドや利尿薬の投与は,経験的に行われている治療であるが,効果を示す根拠に乏しい。リンパ腫や胸腺腫など,ステロイド感受性の高い腫瘍に対しては,糖質コルチコイドが一時的に症状を改善させることがある。また,SVC 内に

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