20431T
3/10

一次予防投与益益Ⅲ01益4アウトカムごとのシステマティックレビュー結果(1)全生存期間(OS) 評価対象となった文献は3編1‒3)で,浸潤性乳がん患者に対し一次予防投与としてG‒CSFを用いた場合のOSを評価しているRCTは1編3)のみであった。炎症性乳がんに対する術前FEC療法(フルオロウラシル750 mg/m2 Day 1~4持続投与,エピルビシン35 mg/m2 Day 2~4,シクロホスファミド400 mg/m2 Day 2~4,3週毎投与で4サイクル)投与において,G‒CSF併用群とG‒CSF非併用群の3年生存率がそれぞれ62%,67%と報告されているが,副次評価項目であり検定は行われていない3)。RCT 1編のみの記載であったため,メタアナリシスを実施していない。抽出された文献において,ランダム化は管理されており,重大なバイアスは認めなかった。(2)発熱性好中球減少症発症率(FN発症率) 浸潤性乳がん患者で一次予防投与としてG‒CSFを用いた場合のFN発症率を評価している文献はRCT 5編1,4‒7)とコホート研究1編8)が抽出された。そのうちFN発症率の詳細が報告されていないRCT 1編1)を除いた,RCT 4編4‒7)とコホート研究1編8)でメタアナリシスが実施された。メタアナリシスの結果,RD 0.22(95%CI:0.01‒0.43,p=0.04)と,有意に一次予防によるFN発症率の低下を認めた。ランダム化は管理されており,重大なバイアスは認めなかったが,1つのRCTでG‒CSFを用いずシプロフロキサシンの内服を行っていた。また,出版バイアスは認められなかった。(3)感染による死亡率 浸潤性乳がん患者で一次予防投与としてG‒CSFを用いた場合の感染による死亡率は,RCT 2編3,4)があり,いずれの試験でも死亡例が報告されていないため,評価不能であった。その他のRCTでは死亡に関する記述は認めなかった。1つのRCTでG‒CSFを用いない群でシプロフロキサシンの内服が行われている以外は,異質性は認めなかった。ランダム化は管理されており,重大なバイアスは認めなかった。ControlStudy or SubgroupBrugger W, 2009Kosaka Y, 2015Papaldo P, 2005Romleu G, 2007Vogel CL, 2005EventsTotalEventsTotalWeight17.6%21.2%21.6%17.9%21.6%21119171078Total(95% CI)Total eventsHeterogeneity: Tau2=0.05; Chi2=240.63, df=4(p<0.00001); l2=98%Test for overall effect: Z=2.02(p=0.04)245G-CSF29173243294653117325431463242346952100.0%93939FN発症率のメタアナリシス結果Risk DifferenceIV, Random, 95%CI-0.05[-0.27, 0.17]0.68[0.61, 0.75]0.06[0.02, 0.09]0.22[0.01, 0.43]0.15[0.12, 0.19]0.22[0.01, 0.43]-1Favours Control Favours G-CSFRisk DifferenceIV, Random, 95%CI-0.50.5薬物療法に関するものであり,1編は転移再発乳がんを対象とした報告であった。エビデンスの強さC(弱い)エビデンスの強さA(強い)エビデンスの強さD(非常に弱い)Q1(CQ) 29

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る