2

.鼻腔および副鼻腔  

39

VI

M—遠隔転移

 

M0 遠隔転移なし

 

M1 遠隔転移あり

病期分類

 

 0期 

Tis 

N0 

M0

 

Ⅰ期 

T1 

N0 

M0

 

Ⅱ期 

T2 

N0 

M0

 

Ⅲ期 

T3 

N0 

M0

  

T1,T2,T3 

N1 

M0

 

ⅣA期 

T1,T2,T3 

N2 

M0

  

T4a 

N0,N1,N2 

M0

 

ⅣB期 

T4b 

Nに関係なく 

M0

  

Tに関係なく 

N3 

M0

 

ⅣC期 

Tに関係なく 

Nに関係なく 

M1

3)診断

(1)視診

  鼻腔:鼻鏡のみでなく内視鏡を用いて,鼻腔内の各鼻道から上咽頭までくまなく観察す

る。

 口腔:犬歯窩,硬口蓋の膨隆,潰瘍形成,開口障害などの有無を観察する。
 顔面:眼球偏位,眼球突出,頬部腫脹,発赤の有無などをみる。

(2)神経学的検査

 嗅覚障害,視力障害,眼球運動障害,顔面の知覚障害などを調べる。

(3)画像診断

 単純X線のみでなく,CTやMRIも必須のものとなってきた。CTは水平断のみでなく
前額断も撮影し,頭蓋底の骨破壊の有無を観察する。MRIは眼窩内,側頭下窩,頭蓋底へ
の浸潤の診断に重要である。

(4)組織診断

 鼻腔,口腔に腫瘍が観察されれば,生検による組織診断は容易である。しかし腫瘍を直
視できない場合は,犬歯窩切開による試験開洞,あるいは鼻内視鏡手術による鼻内からの
上顎洞開放,組織採取が必要となる。

付.上顎洞癌手術法の定義

① 上顎部分切除術

  上顎歯肉部,硬口蓋,上顎洞内側壁,上顎洞外側壁,眼窩下壁など上顎骨の一部を切除

する術式。上顎洞前壁を開放し洞内の腫瘍を掻き出す手術も本術式に含む。