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Ⅱ
記録する事項
c .腫瘤の性状
1)形:球形,卵形,不整形など
2)表面:平滑,凹凸不平,顆粒状など
3)硬度:軟,弾性硬,硬など
4)境界:鮮明,不鮮明
5)可動制限:ない,軽度にある,ある
6)圧痛:ある,ない
d .皮膚および皮下組織
皮膚への癒着,発赤,潰瘍,瘻孔,静脈怒張,顔面浮腫などの有無および広がりの程度を記
載する。
3 .術前の腫瘍分類
a .T分類
原発腫瘍の分類は,UICC
*
分類に従い,触診,画像,内視鏡所見,細胞診断を含む病理診断
などにより評価する。
注:多発性腫瘍では最も大きい腫瘍のTに(m)を付記する。
*
UICC:Union for International Cancer Control
TX : 原発腫瘍の評価が不可能
T0 : 原発腫瘍を認めない
T1 : 甲状腺に限局し最大径が2 cm以下の腫瘍(最大径≦2 cm)
T1を次の2つに細分する
T1a:甲状腺に限局し最大径が1 cm以下の腫瘍(最大径≦1 cm)
T1b: 甲状腺に限局し最大径が1 cmをこえ2 cm以下の腫瘍(1 cm<最大径≦2 cm)
T2 : 甲状腺に限局し最大径が2 cmをこえ4 cm以下の腫瘍(2 cm<最大径≦4 cm)
T3 : T3を次の2つに細分する
T3a:甲状腺に限局し最大径が4 cmをこえる腫瘍(4 cm<最大径)
T3b: 大きさを問わず前頸筋群(胸骨舌骨筋,胸骨甲状筋あるいは肩甲舌骨筋)に
明らかに浸潤する腫瘍(Ex1に相当する)
T4 : T4を次の2つに細分する(Ex2に相当する)
T4a: 甲状腺の被膜をこえて次のいずれかに浸潤する:皮下脂肪組織,喉頭,気管,
食道,反回神経
T4b: 椎骨前筋群の筋膜,縦隔の大血管に浸潤するあるいは頸動脈を取り囲む腫瘍