14
各 論
部分に関しての分割切除を行ってもよいが,一般的に分割切除では不完全切
除率が高く,局所再発率が高いことに留意する。また正確な組織学的判定が
困難となるような多分割切除は避けるべきである
3)
。
5
内視鏡的切除後は,切除局所を詳細に観察し遺残病変の有無を確認する。
・遺残病変の診断には色素撒布・拡大観察が有用である
9)
。
・ 粘膜内病変の遺残があれば追加治療(内視鏡的追加切除,ホットバイオプ
シー,焼灼など)を行う。
6
内視鏡治療後の経過観察
11,12)
・ pTis癌で分割切除,水平断端陽性の場合には,6カ月前後に大腸内視鏡検査
にて局所再発の有無を調べる。
(CQ 3)
・ pT1癌で経過観察する例では,局所再発のみでなくリンパ節再発や遠隔転移
再発の検索も必要であり,内視鏡検査に加えてCT検査などの画像診断や腫
瘍マーカーなどを用いた経過観察が必要である。
(CQ 3)
・ pT1癌内視鏡治療後の再発は3年以内であることが多いが,それ以上遅れて
再発することもあり注意が必要である
13)
。