第1章 腫瘍の臨床的記載法

1.腫瘍占居部位

a.右側,左側の別

b.乳房内局在

乳房を下記のように区分する(ICDコード)。

A:内上部(C50.2)

B:内下部(C50.3)

C:外上部(C50.4)

D:外下部(C50.5)

C′

:腋窩部(C50.6)

E:乳輪部(C50.1)

E′

:乳頭部(C50.0)

腫瘍が各区域内のみに存するものは相当する略号をもって表し,2つ以上の区域にわた

るものは,より多く占める区域から順に記載する。

注:異所性乳腺より発生したものは別に記載する。

2.腫瘍の大きさ

腫瘍の最大径,ならびにそれと直角方向に交わる径をmm単位で記載する。

3.腫瘍の性状

腫瘍の形(球形,卵形,不整形など),硬度,境界,表面の性状などを記載する。

4.臨床所見

a.乳房の皮膚および皮下組織

1)変化なし

2)えくぼ徴候(dimpling sign),陥凹(delle)

えくぼ徴候は視診では異常を認めず,指で皮膚を寄せると陥凹が出現する場合をい

う。陥凹は視診で常に皮膚の陥凹を認める場合をいう。

3)皮膚固定

この所見以降が皮膚のT4の所見となる。その範囲を記載する。

4)浮腫(peaud’orange)

5)潰瘍

6)衛星皮膚結節

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第1部 臨床編